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令和六年一月 兼題「七日」

2024年01月19日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報百十二号(令和六年一月) 

元日に能登大地震が起こったり、羽田空港の火災事故が発生したりして暗いニュースばかりの新年を迎えた。まだ冬休み中のカモメのばぁばぁさんの会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の七名を含めて十六名となった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所) 
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)



兼題 「七日」

○今一度草を確かめ七日粥  茂樹
美しき叔母の寝顔や七日の陽  斑猫
寂しさも紛れて正月七日かな  厚子
七日にて朝昼晩も戻りけり  進
人の日に雨ひとつぶの落とし物  半片
七日朝若芽の粥からもらうエナジー  彩鳥
◎せがまれて七日のカレーライスかな  ねむ女
○人日やボードゲームの白と黒  たつみ
七日には正月の酒気0.00に  風外
○さりげない暮らし尊ひ七日なり  月青
七十の手習はじめ七日かな  六星
水洗に流れゆくもの七日かな  七軒
子ら帰り一人になりぬ七日かな  走波
もう七日フードロスなく食べないと  春一番
◎境内に雀戻りて七日かな  朋子
七日の日アウシュビッツの映画観る  えこ

     
当季雑詠
      
食堂の日溜りにゐる冬の蠅  茂樹
曳航船の水道進む淑気かな  茂樹
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阿修羅観ゆ原野沈黙雪止まず  斑猫
モルヒネの匂ひ澱める冬の部屋  斑猫
繭玉を取って小皿の華やかさ  厚子
元旦や地球にグーパンチ喰らふ  厚子
年玉を用意すれども客はなし  進
年ごとに数の減りたる賀状かな  進
寒き夜に見知らぬ街の迷子かな  半片
冬凪の海に眠りぬいくさぶね  半片
『ある愛の詩』で知ったアイスホッケー  彩鳥
※外仕事ろう梅の香に癒やされて  彩鳥
マラカスを振って幼の初ダンス  ねむ女
膾のみ壜に残れる七日かな  ねむ女
◎黒豆の味はどうかと初電話  たつみ
伝票の束を紐解く事務始  たつみ
冬の伊予漱石髭の招き猫  風外
冬休み横顔の子規見に伊予に  風外
蝋梅の花びら透けて香りたつ  月青
初日の出パジャマのままの日が眩し  月青
冬うらら老俳人の泣きぼくろ  六星
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翔平もガザ地区もみな年明くる  六星
靴下の踵のぬるる寒さかな  七軒
若水を輪島の椀に灌ぎたる  七軒
○冬ざるる対岸走る人ひとり  走波
○霙るるや路地に小さな水溜り  走波
初詣散歩ついでで清々し  春一番
お年玉受け取る笑顔あどけなく  春一番
小晦日きしむ扉は二年越し  朋子
立ち呑みの黒ダウンの背三つ四つ  朋子
腰掛けてシャワーだけなる初湯かな  えこ
祈る祈る令和六年三が日  えこ
   
※当季雑詠、彩鳥さんの「ろう梅」の「ろう」は、虫偏の難しい漢字の「ろう」ですが、文字化けするためにひらがな表記にしています。
                       


(句会寸描)

*兼題は、接戦の末、ねむ女さんと朋子さんが一位を分け合った。雑詠は、たつみさんが一位に輝いた。兼題は、正月のさり気ない日常が詠まれていた。雑詠は、新年と冬の句が入り混じってバラエティーに富んでいた。
                               

*兼題 「七日」

◎せがまれて七日のカレーライスかな  ねむ女
年配者になるほど七草粥などのあっさりしたものが、食べたくなる頃であるが、子供や若い人たちは「カレーライス」が食べたくなるようである。

◎境内に雀戻りて七日かな  朋子
「七日」といえば初詣の賑わいも一段落して静けさを取り戻す頃である。作者も「雀」も日常が戻って来たことを実感している。ちゅんちゅんと鳴き声も聞こえてる。

○今一度草を確かめ七日粥  茂樹
毎年「七日粥」をいただいているが、どうしても七草の名称と姿が覚えられない。そこで今回も、パック裏の七草の解説と実物を調理の前に見比べた。

○人日やボードゲームの白と黒  たつみ
今年の「人日」は休日で正月休みの余韻に浸っている。「ボードゲームに白と黒」はオセロのようだが、「オセロ」と直接云わないところがいかにも「人日」らしい。

○さりげない暮らし尊ひ七日なり  月青
今年の元日に、能登で大地震が起こった。そんな中で、さりげなく暮らせることのありがたさを誰もがしみじみ噛みしめていることだろう。


*当季雑詠

◎黒豆の味はどうかと初電話  たつみ
中七の「味はどうかと」が臨場感に溢れていて、心がなごむ。親しい間柄と思われるが、電話をかけたとも受け取ったともどちらにも想像することができる。

○冬ざるる対岸走る人ひとり  走波
 太田川などで、よく見かける光景である。「対岸」の山の景色や町の様子もどこかしら寒々と写っている。数人なら気にならないが、一人は案外気になるものである。

○霙るるや路地に小さな水溜り  走波
「霙るる」光景が、厳しい冬の到来を予感させ、「路地」と「水溜り」が寒さを助長している。「霙」が「路地」に吸い込まれていく様子は雪とは違った趣がある。

                            

*次回予定

日時 二月四日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「立春」一句と当季雑詠を二句
    
  (茂樹 記)

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コメント
六星さんの老俳人のなきぼくろの句は高野ムツオさんのことだったのね。あの回の句会はとても勉強になります。プロの俳人が3名、ゲストの鑑賞も素晴らしい。
ねむ女さん
そうそう、あの方の飄々とした解説が面白くてほくろにかけて詠んでみました。
私は俳句の番組は録画しといて時間がある時に観てるけどぼーっと見てるからもうちょっと勉強しよ❗️

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