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令和五年〆の句会 兼題は「障子」

2023年12月16日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報百十一号(令和五年十二月) 

この一年もあっという間に過ぎ、納め句座を迎えることになった。『わしらのアイドル みんなのアトム展』の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、初めてのぬりかべさん(欠席投句)と欠席投句の六名を含めて十七名となった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所) 
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記) 
 


兼題 「障子」  

○切紙の千鳥あそぶや障子穴  ねむ女
障子張り新しき白満足す  風外
夕間暮れ障子隔てて雨の音  朋子
猫になり猫間(ねこま)障子を覗きをる  えこ
柔らかく障子ごしに入る光  春一番
仏壇は実家の奥の障子部屋  茂樹
障子閉め母と二人の通夜見舞  たつみ
○笑ひ声響く稽古場白障子  七軒
隙間風障子すり抜け猫通過  厚子
◎刷毛さばき息合う父母の障子貼り  六星
梵天を閉じ込めている冬障子  斑猫
朧光(ろうこう)に重たき瞼古障子  ぬりかべ
子の寝息障子立てたる四畳半  麦
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穴だらけ障子の裏に猫の影  進
茶を啜り晴れたる午後の冬障子  月青
真新しい障子を覗くキャッツ・アイ  彩鳥
障子閉め光やはらに部屋に満つ  走波


当季雑詠

襖より跳び出さんとす芦(ろ)雪(せつ)の虎  ねむ女
柿渋の襖に白き爪の傷  ねむ女
枯草に小さな生き物隠れ住む  風外
昭和の子三時のおやつ焼藷よ  風外
小松菜の株の切り口バラのごと  朋子
イブ近しレノン流れる喫茶店  朋子
古本屋ストーブの火のオレンジの  えこ
○マフラーに頬うずめ繰る単語帳  えこ
注連作り思わずこぼれるしたり顔  春一番
ピーピューの木枯しの中チャリ漕ぎて  春一番
逆光のしろがねの冬雲の縁  茂樹
やんはりと夕日に透ける枯尾花  茂樹
雨雲の去りて二本の冬の虹  たつみ
◎病床の父に請はれて暦買ふ  たつみ
味醂干焼く円筒のストーブに  七軒
虎走るホットケーキになる絵本  七軒
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筋肉も緩くなりけり冬日和  厚子
宗教も生まれも問はぬクリスマス  厚子
何もせず何にもならず去年今年  六星
みかん当て頬冷ます夜半町靜か  六星
贖罪のパン種重し聖誕祭  斑猫
詠唱の屍衣なびかせて北風哭く  斑猫
受験生小魚の群れ登ってく  ぬりかべ
冬空に凝り昇りけりお燗酒  ぬりかべ
愛犬を抱いて散歩の草もみじ  麦
冬日向店頭の本買ひまどふ  麦
今日もまた猫に囲まれ年の暮れ  進
窓際に重なる猫や日向ぼこ  進
窓開けて目を澄ませれば枯木星  月青
白い朝マフラーぐるり電車待つ  月青
お買い得お節食材春支度  彩鳥
冬休み総動員のお節商戦  彩鳥
年の瀬や拍子木の音近づきぬ  走波
二日目のおでんこつくり味深し  走波

                    
(句会寸描)

*兼題は、六星さんが頭一つ抜け出し一位となった。雑詠は、断トツの成績で、たつみさんが一位に輝いた。今回は、兼題・雑詠ともかなり偏った結果となった。
  
*兼題 「障子」

◎刷毛さばき息合う父母の障子貼り  六星
今では、滅多に見られない光景である。「障子貼り」はタイミングが大事なので息を合わせてやらないと、とんでもないことになる。のんびりとしていた昭和の時代を思い出す。ちなみに「障子貼る」は、秋の季語になる。

○切紙の千鳥あそぶや障子穴  ねむ女
「障子穴」の一つ一つに時の流れが刻まれている。中七の「千鳥あそぶや」に、暮らしを少しでも美しくしようとする工夫が感じられる。

○笑ひ声響く稽古場白障子  七軒
何の稽古場か分からないが、「白障子」から筒抜けの声がよく響く。「白障子」が稽古場の雰囲気をいっそう明るくしている。その場にいなくても手に取るように中の様子が伝わってくる。

*当季雑詠

◎病床の父に請はれて暦買ふ  たつみ
頼む方も頼まれる方も「病床」という場所柄、複雑な思いが交錯する。私も、老人ホームにいた父から、カレンダーを頼まれたのを懐かしく思い出した。

○マフラーに頬うずめ繰る単語帳  えこ

列車の中などでよく目にする光景である。真剣に時間を惜しんで勉強している学生の姿は今も昔も変わらないが、「単語帳」は、昭和世代にとっては大変分かりやすい。

                            
*次回予定
日時 一月七日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「七日」一句と当季雑詠を二句

   (茂樹 記)

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