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十月の句会 『九月尽』

2023年10月10日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報百九号(令和五年十月) 

長かった残暑も収まり一気に秋らしくなってきた。宮武裕さんの『宮武裕 pierrot』の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、初めての春一番さんと月青さんと欠席投句の三名を含めて十六名となった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記) 
 

兼題 「九月尽」       
   
カナヘビも岩にすがるか九月尽  進
九月尽擦り寄るにゃんこの毛も付かず  彩鳥
バスドラムの重低音や九月尽  たつみ
レシートの残高999九月尽  麦
神死せる地を風は逝き九月尽  斑猫
豚汁のおかわりひとつ九月尽  月青
◎山頂の雲の速さや九月尽  朋子
こおろぎもばったもはねて九月尽  風外
出西の蛇の目並べん九月尽  七軒
本を読むベンチの男九月尽  六星
薄くなるものならぬもの九月尽  えこ
九月尽夫の蔵書を何としよ  ねむ女
九月尽遠く浮き立つ大鳥居  走波
九月尽夜明けに手繰る毛布かな  春一番
○水筒を手放せぬまま九月尽  茂樹
蹴り上げし夜具引き上げし九月尽  厚子
     
当季雑詠
      
小枝踏む足音独り秋の山  進
百舌鳥鳴きて見あぐる空の高さかな  進
燕帰るしんと静まる町家の通り  彩鳥
秋の蚊の今正念場種の保存  彩鳥
◎引揚げの話聞きをり葉鶏頭  たつみ
すみません今日は帰って彼岸花  たつみ
○満月を誘つて共に縄跳びす  麦   
山路来て未知の集落新松子  麦
亡霊の聲聴き跳ねるかまどうま  斑猫
月光に白き乳房の静脈を見る  斑猫
紫の星の咲きたる桔梗かな  月青       
空澄みて眺むる日々よ今日の雲  月青
立ち食ひかやはり老舗か蕎麦の秋  朋子
甘露煮と唱へてまろき栗を剥き  朋子
秋深しメダカももぐり生活し  風外
案山子たち畑に五体は多すぎる  風外
無花果をつくるもうるも古江かな  七軒    
○ビニールのバットでヒット苅田かな  七軒
秋晴の土産はミニヨンチョコレート  六星
シマシマの胸筋ラクビー夜長し  六星
ラーメン屋出で名月を見上げをり  えこ      
ぷ、ぷ、ぷ、ぷと爺の屁や秋一歩づつ  えこ
銘は月影やはらかき菓子いただきぬ  ねむ女
銅鑼の音の月見の席へ誘へり  ねむ女
○杖買ひて先づ居酒屋へ秋の宵  走波       
秋霖や独り住まひのワンルーム  走波
菊を愛で一杯やるなら秋刀魚かな  春一番
生垣の金木犀が秋紡ぎ  春一番
厳島へ光(くわう)の架け橋秋彼岸  茂樹
金柑や未来を託す子の笑顔   茂樹
秋麗日向に鳩が丸くおり  厚子
窓越しに交わす挨拶冬隣  厚子
                                             


(句会寸描)

*兼題は、朋子さんが一位となった。雑詠は、接戦の末、たつみさんが一位となった。兼題は、皆さんいろいろな目線で捉えているところが面白かった。雑詠は、発想の奇抜な句が目についた。
                               
*兼題「九月尽」
◎山頂の雲の速さや九月尽  朋子
春や夏の雲は、動かない感覚があるが、秋は流れるように雲が動いている。上空を見上げただけでも確認できるが、山やビルなど目に見える固定したものがあると更に実感できる。本格的な秋の深まりを感じさせる。

○水筒を手放せぬまま九月尽  茂樹 
今年の夏は本当に暑かった。外出の際は、水筒の持参が習慣となっていて、街中でも多く見かけられた。そんな状況が九月いっぱいまで続いた。


*当季雑詠
◎引揚げの話聞きをり葉鶏頭  たつみ
令和になり、すっかり「引揚げ」の体験者も少なくなり、「引揚げ」の言葉そのものが死語になりつつある。貴重な体験をじっくり聞いている落ち着いた雰囲気を「葉鶏頭」が上手く演出している。
                          
○満月を誘つて共に縄跳びす  麦
ほのぼのとした絵本を見ているようで、心が和む。「満月」にやさしく語りかけているような作者の顔が見えてくる。下五の「縄跳びす」(冬)の季重なりが惜しまれる。
 
○ビニールのバットでヒット苅田かな  七軒
今では、あまり目にしない光景だが、「ビニールのバット」は危なくないので、子供たちは心置きなく駆けずり回っている。黄色い声援が聞こえてくる。

○杖買ひて先づ居酒屋へ秋の宵  走波
年齢を重ねて足も衰えてきた。杖を買って万全の体制である。「居酒屋」へ迷わず向かういかにも楽し気な様子が伝わってくる。
                            


*次回予定

日時 十一月五日(日)十八時~二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「立冬」一句と当季雑詠を二句

   (茂樹 記)


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