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101回目の俳句会!

2023年02月14日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第百一号(令和五年二月) 

まだまだ寒い毎日ではあるが、暦の上では、立春を過ぎた。藤浦あやさんの個展『同時に存在するもの』展の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、初めての藤浦あや(俳号:いを)さんと欠席投句の四名を含めて十四名となった。 

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)




兼題 「春寒し」 

セルフレジ札吸ひ込まれ春寒し  たつみ
◎手のひらに湯のみ包みて春寒し  朋子
春寒し亡き人への文戻りけり  ねむ女
ささくれに気を取られをる春寒し  六星
自転車の轍の二本春寒し  走波
枝に緑まだ小さくて春寒し  えこ
春寒のムラシコ少佐撃墜死  七軒
春寒く残りし酒を温めん  進
東天にスピカ昇れど春寒し  斑猫
春寒しふところ寂(さみ)し古希の風  風外
春寒し五百数基の石燈篭  麦
春寒や体育館へ入る朝  茂樹
春寒し握る子の手の輻射熱  いを
○春寒しそつと荷に足す襦袢かな  厚子


当季雑詠

寒明けや映画の列に並びをり  たつみ
節分の豆は両手にあふれけり  たつみ
冴返る三日さぼりしピアノかな  朋子
◎オリオンを横切る夜間飛行かな  朋子
浅き春ほどよく甘きマフィン食ぶ  ねむ女
料峭やお百度を踏む人のゐて  ねむ女
旅ひとり雲かぶる富士山の見ゆ  六星
○堅香子の俯いてなお根を伸ばす  六星
冬麗バギーに犬乗せ土手散歩  走波
旧姓で呼び合ふ友や春隣  走波
豆を撒く裃板につく役者  えこ
立春や酒蔵を出る搾りたて  えこ
まだ拳握りしままの金縷梅  七軒
赤白のクレーンはせはし薄氷  七軒
露地裏に一つくれなゐ寒椿  進
テレビでも良き男なり實朝忌  進
ヒドリガモ疾く立つ翼に春の雪  斑猫
東風吹きてビルは砂塵にかすみをり  斑猫
道行けばおもわぬ所に蕗のとう  風外
春泥や高速道路道のはた  風外
○満員のフェリー往き交う瀬戸は春  麦
追いかけてやがてしょんぼり止む時雨  麦
月一度父の施設へ水温む  茂樹
旧正や真つ正面に厳島  茂樹
裂いたよな雲の衣に冬三日月  いを
丸桶の氷抱えて陽を注ぐ  いを
一株の豚の饅頭持ち帰る  厚子
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隣からピアノの音色鐘霞む  厚子

                                       


(句会寸描)

*兼題の「寒寒し」は、接戦の末、朋子さんが一位となった。雑詠も朋子さんが一位となった。兼題は、体感としての寒さと雰囲気的な寒さの両方が万遍なく詠まれていた。雑詠は、晩冬と春の句が入り混じっていた。


*兼題「春寒し」

◎手のひらに湯のみ包みて春寒し  朋子
中七の「湯のみ包みて」で湯飲み茶わんの温もりを上手く表現している。まだまだ寒い毎日だからこそ、体が温まる熱いお茶が欲しくなる。

○春寒しそっと荷に足す襦袢かな  厚子
もう荷造りしてしまった荷物に、急に寒さがぶり返したので暖かい衣類を追加しようしている。送り先への細やかな気配りが感じられる。

*当季雑詠

◎オリオンを横切る夜間飛行かな  朋子
まるでおとぎ話のようなメルヘンチックな夜景である。この句のコメントでも述べられていたが、プロペラ機のようなゆっくり進む飛行機が似合いそうである。

○堅香子の俯いてなお根を伸ばす  六星
 「堅香子」は、この句のように控え目であまり目立たない花であるが、大地にはしっかり根を張っている。冬を乗り切る力強さまで伝わってくる。
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○満員のフェリー往き交う瀬戸は春  麦
しばらく満員のフェリーにお目にかからなかったが、コロナがやっと収まってきて、客足が戻ってきた。活気ある、いかにも瀬戸内の春らしい景である。このまま続くように願うばかりである。



*次回予定

日時 三月五日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「春の闇」一句と当季雑詠を二句

※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。

投句締切 三月四日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 三月五日(日)
選句締切 三月八日(水)
選句連絡先 茂樹まで

     (茂樹 記)


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コメント
101回目の句会
やはり、句会は楽しい。ライブですからね。

101回も継続する句会に参加できる事に感謝します。

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