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枝豆  八月の句会

2022年08月16日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第九十五号(令和四年八月)   

うだるような暑さの中、立秋を迎えた。「気まぐれサビ子展」の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の六名を含めて十二名となった。  

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)


兼題 「枝豆」  

大豆にもなれずえだ豆苦き味  風外
枝豆のほんによろしき茹で具合  ねむ女
○ナイターに「わしが監督」月見豆  たつみ
ごろ寝して枝豆つまむ酔いたんぼ  右京
○枝豆やとび出す豆の碧きこと  朋子
寿司飯に枝豆ちらしランチ会  六星
枝豆をゆでる香りにのどが鳴る  進
◎枝豆や故郷の話弾む夜  茂樹
ばあちゃんの植えた枝豆の整然  えこ
つっぷりと枝豆喰みて殻眺む  愛幸
枝豆やひくに引けない塩加減  厚子
枝豆の香りなつかしずんだ餅  走波
 

当季雑詠

道路の上一匹の蝉腹を見せ  風外
ヨレヨレよ子供産み過ぎ庭トマト  風外
枝豆のつるりと口へきりもなや  ねむ女
突出しは蓮の花に包まれて  ねむ女
木槿忌やつるんと剥けし葡萄の実  たつみ
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夏祭り踊るペディキュア赤や黒  たつみ
○寝不足のわが子見送る原爆忌  右京
コルネット響く九月のキャンパス  右京
○バス停の影を分け合ふ盛夏かな  朋子
○オニヤンマ過ぎ行く時の如く翔び  朋子
夏休み3号車両の列におり  六星
◎入道を割いて飛行機雲白し  六星
明けやらぬ空にまたたく秋の星  進
廃線の上に寂しき鰯雲   進
水引(みずひ)草(き)に母の面影重ねをり  茂樹
山口もサイレン響く広島忌  茂樹
○雲の峰野にソーラーの畑あり  えこ
○広島忌(令和四年)何が強さか子らが言う  えこ
室外機熱波に耐ふる秋草や  愛幸
アスファルト日陰のバッタ睨めっこ  愛幸
秋初め秋山翔吾というヒーロー  厚子
○戦争のない世界へと律の風  厚子
テレビ見てひとりごちたる炎帝戦  走波
ミニトマト烏待ちかねついばみぬ  走波


(句会寸描)

*兼題の「枝豆」は、僅差で茂樹が一位となった。雑詠は六星さんが一位となった。兼題・雑詠共に、万遍なく選が散らばりどの句もバラエティーに富んでいた。

*兼題 「枝豆」

◎枝豆や故郷の話弾む夜  茂樹
仕事仲間や友人が集まる居酒屋では、大抵こういう話が話題になる。「枝豆」をおともにビールが進む。

○ナイターに「わしが監督」月見豆  たつみ
入場制限がなくなり、応援にも熱が入るが、熱烈な広島ファンは、こういう感じの人が多いようだ。

○枝豆やとび出す豆の碧きこと  朋子
当たり前のことのようだが、枝豆の莢から飛び出す豆の碧さは、他の野菜に比べても一層際立って鮮やかに見える。


*当季雑詠

◎入道を割いて飛行機雲白し  六星
「入道雲」と「飛行機雲」の取合せがダイナミックで鮮やかな映像が見えてくる。ただ、「入道」を「入道雲」の季語として扱っている歳時記があるのかもしれないが、「入道」自体には、別な意味(仏教語)があるので、季語として詠み込むのは難しいと思われる、

○寝不足のわが子見送る原爆忌  右京
広島では、八月六日が、ほぼ登校日になっている。夏休みで遊び疲れている子供の様子を率直に捉えている。

○バス停の影を分け合ふ盛夏かな  朋子
中七の「影を分け合ふ」が面白い。「影」は「バス停」の屋根なのか、はたまた「バス停」の標識なのか等、いろいろと想像できる。

○オニヤンマ過ぎ行く時の如く翔び  朋子
「オニヤンマ」は、よく見ると素早くあたりを動き回っている。その様子を上手く捉えて的確に表現している。

○雲の峰野にソーラーの畑あり  えこ
生活に欠かすことの出来ない電気だが、暑い日差しの中、「雲の峰」のように輝いている「ソーラーパネル」が見えてくる。

○広島忌(令和四年)何が強さか子らが言う  えこ
今年の平和式典の様子と思われる。原爆を知らない子供たちの素直な訴えに胸を打たれている。

○戦争のない世界へと律の風  厚子
八月は、戦争に関わる重苦しい行事が重なっているが、今もウクライナでは、戦火が続いている。「律の風」に作者の平和への願いが優しく込められている。


*次回予定

日時 九月四日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「色一切を入れた句(白秋などの季語も可)」一句と
当季雑詠を二句

※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。

投句締切 九月三日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 九月四日(日)
選句締切 九月七日(水)
選句連絡先 茂樹まで

    (茂樹 記)



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