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MELENCOLIA 2022

2022年06月12日
丹田和宏回顧展
 丹田さんと、


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2022 5/1~7/3
アートギャラリーミヤウチ
(廿日市)


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会場にて群読をさせていただきました。

  マルマチ  根は語る
  リリ  質問
  クミ  鞄
  アキ あわい


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あわい

ー 丹田邸について ー


ファサード

灰色の漆喰と銀色の瓦 焼杉の黒
こげ茶の繊細な格子の木枠に
少し割れた鈍い色のガラスがはめ殺しにされている


植え込み

玄関前の歩道
歩道より幅の広い植樹帯には 近所の誰かが丁寧に花を咲かせている アガパンサスが終わればオステオスペルマム 次にジニア そして7月 紫色の星のようなキキョウは 全員前を向いて少し揺れている 風船のように膨らんで今にも星になりそうなキキョウの赤ん坊も つられて揺れる




磨りガラスの引き込み戸にはカッティングシートで作られた 小さな白い矢印が貼られている 矢印は左を向きその戸は真ん中から左に引くものだと教えている そういえば上のはめ殺しガラスの外側に 羽化しそこなった蝶の蛹が
付いたままになっていた


玄関

深い茶色の木の床はひんやりとしている 裸電球が垂れていて たくさんのキャンバスが 裏向きに並んでいる 長押(なげし)や裏向きの大きなキャンバスの上で こちらを向いている作品もある ガラス瓶や青いノート、多面体、夏はレモン、紫陽花。 紫色なのか茶色なのかわからない あわいの色 今しか見えない光の一部のような。


アトリエ

それなりの時間さえあれば
そこに何があるのか言い尽くせる
ただそうして語ることが 美しく積もったひとつぶひとつぶの光を 長い時間をかけて沈積し静止している調和を 撹拌して別のものに変えてしまうこととなるのではと それを恐れている 後ろ向きに置かれたアリアスの胸像が暗い部屋で白く俯いていた


階段

90年の間にどれだけの人が上り下りを繰り返したのか
すっかり角の取れたつるつるの階段
この家で最後に産まれた赤ん坊は男の子だった
幾度となく階段を上り、降りた
半世紀以上が経ち
ある晩階段を上がってそのまま降りてこなかった
そうして2階の美しいバランスの中に溶けていった男の子は
光と影の 生と死の あわいの者となった


ファサード

新しい表札がかけられた
白い板に赤や青や黄色の絵の具が軽やかに散り
真ん中にのびのび「丹田」と書いてある
この家の調和をまるごと引き受けて
暮らしている誰かがいる
訪問者もいる
歩道の横の植樹帯で今は
白のハナニラが揺れている


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丹田先生はるちゃん楽しかったよ。


野村君今井さんエモリン啓太郎&スタッフの皆様とわざわざお越しくださったみなさんありがとう!





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