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十二月の俳句会 兼題「牡蠣」

2021年12月13日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報 第八十七号(令和三年十二月)

今年もコロナ禍に見舞われ、あっという間に十二月になってしまいました。田村虎之亮さんの写真展の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の二名を含めて十二名となった。


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photo by Toranosuke Tamura


(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
  (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)




兼題 「牡蠣」

○旅立てる子に好物の牡蠣フライ  ねむ女
○牡蠣打の道具錆びたり納屋の土間  たつみ
牡蠣フライてんこ盛りなる夕餉かな  六星
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◎冷たさをこらえつつ牡蠣もみ洗い  右京
ひとつひとつ家族への糧牡蠣を打つ  えこ
友と飲み苦手な牡蠣に箸を出し  進
牡蠣殻は昨夜の幸せの証  厚子
ひとくちをトゥルンと酢牡蠣口中へ  麦
岸田総理の祝ひ弁当牡蠣フライ   茂樹
牡蠣鍋や曇る眼鏡と熱き頬  朋子
うまき牡蠣カラもゴフンで二刀流(ゴフン:日本画の形と色を作る)  風外
牡蠣打ちのバイト老女の姿多し  走波



当季雑詠

ロボホンのコサックダンス冬の夜  ねむ女
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牡蠣を焼くひとりの夕餉赤ワイン  ねむ女
◎息白し会話少なき駅舎なり  たつみ
洋画家の猫の絵が好き日記買う  たつみ
ケロリンと湯気の向かうのタイルかな  六星
小雨降る病院帰りのクリスマス  六星
十二月虎の足音迫る日々  右京
クリスマス手紙の返事未だ来ず  右京
ごみ置き場遠巻きにして寒鴉  えこ
珈琲を手に窓の外冬の海  えこ
襟立てて急ぎ先行く冬の雨  進
○鵜が独り羽をすぼめて冬の川  進 
通院のバス日除け下げ冬日和  厚子
股引を取る恥じらいに勝る老い  厚子
捕らわれし猪が鉄音朝をさく  麦
前掛けの裾にくるまれ焼いも来る  麦
枯木立被爆ドームと重なりぬ  茂樹
ブラシ寄せ落葉吸ひ込む清掃車  茂樹
○冴ゆる朝向かう岸からホルンの音  朋子
初雪や和服の裾のぎこちなき  朋子
玉子酒母が十八番の一品だ  風外
闇鍋やガタロ作家の絵を想ふ  風外
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寒々しLEDの灯る路地  走波
セーターの虫食い穴にダーニング  走波
            


(句会寸描)

*兼題の「牡蠣」は、接戦の末、右京さんが一位となった。雑詠は大差で、たつみさんが一位となった。兼題は、簡単なようで案外難儀をしたようだ。雑詠は、年の瀬の句が意外に少なかった。


*兼題「牡蠣」

◎冷たさをこらえつつ牡蠣もみ洗い  右京
この時季らしい季節感が、実体験からストレートに伝わってくる。ただ、上五から中七にかけて表現が少しはっきりし過ぎているような感じもする。

○旅立てる子に好物の牡蠣フライ  ねむ女
牡蠣は、料理によって好き嫌いがあるようだが、概ね「牡蠣フライ」は、好きな人が多い。あれこれと心配は尽きないが、やさしい親心が感じられる。

○牡蠣打の道具錆びたり納屋の土間  たつみ
「牡蠣打の道具」が台所に置いてないところに、この道具の特徴がうかがえる。土間に置かれている様子を見ると、かなり無造作に長年放置されていたものと思われる。


*当季雑詠

◎息白し会話少なき駅舎なり  たつみ
駅のホームか、構内か、よく分からないが、人々の無表情な姿が垣間見える。コロナ禍も相まって、この冬の情景を端的に捉えている。ただ、下五の「駅舎なり」の「なり」は、少し強調し過ぎるような感じもする。


○鵜が独り羽をすぼめて冬の川  進 
「鵜」を擬人化したことによって、ユーモラスな情景が思い浮かぶ。仲間外れにされたのか、謹慎中のようにも思える。
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○冴ゆる朝向かう岸からホルンの音  朋子
たまに目にする光景だが、寒さも加わって「ホルン」の太い音がずしりと体に響いてくる。音のする方を探っている様子も頭に浮かぶ。




*次回予定

日時 一月九日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「新年一切」一句と当季雑詠を二句 


※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。
投句締切 一月八日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 一月九日(日)
選句締切 一月十二日(水)
選句連絡先 茂樹まで


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photo by Toranosuke Tamura


 今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
       (茂樹 記)




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