fc2ブログ
10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

十一月の俳句会 兼題は「大根」

2021年11月16日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第八十六号(令和三年十一月)
    
二週間ほど前は、半袖でも平気なほどの暖かい秋が続いたが、十一月に入ると少し肌寒いくらいの天気となり、本日立冬を迎えた。石井紀子さんの手描き展の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の三名を含めて十二名となった。

257519790_450789513136571_7230863532058636898_n.jpg


(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)



兼題 「大根」

露の夜のおでんの大根忘られぬ  風外
◎大根に味染むまでの落語かな  朋子
大根干す笊に真昼の月のごと  ねむ女
学友と鍋の大根をつつく夜  右京
爪立ちし抜いてくれろと大根かな  麦
○大根を煮こぼしてなほ本を読む  たつみ
食堂の醤油色なる煮大根  茂樹
大根を短冊に切る透きとほる  六星
泥もなき大根洗ふ五十路かな  厚子
大根や暗き畑にのつと立ち  進
手の皺やゆつくりとおろす大根  えこ
青空にとんび輪をかき大根引く  走波


当季雑詠

落葉には無限の色の玉手箱  風外
一人寝は背中丸めて冷たし  風外
◎たいやき屋しっぽに並ぶ老夫婦  朋子
○一葉の紅葉を添へて馳走かな  朋子
内陣の金の煌き報恩講  ねむ女
木犀の香につつまるるひと日かな  ねむ女
冬近し駅をつらぬく風の音  右京
冷まじき夜の河原に一人立つ  右京
冬日和ボールもわずか高く飛び  麦
冬はじめ雑巾掛けの手に息かける  麦
遠き影掘り起こされし芋の蔓  たつみ
衆院解散やがて雀は蛤に  たつみ
朝日さす菰巻確と捉へけり  茂樹
コロナ禍の少し収まり返り花  茂樹
また一度時巡り来て虫すだく  六星
○小春日のフランス映画午後の席  六星
急く父とマイペースな母日向ぼこ  厚子
駅を出て鼻に夕餉や冬の星  厚子
256092762_586549649247098_5854349088084099296_n.jpg

襟立てて灯りへ急ぐ時雨かな  進
○朝に掃きまた朝に掃く落ち葉かな  進 
小春日和小さい洗濯物たくさん  えこ
○冬隣あんドーナツの粒砂糖  えこ
◎茶の花や消したき過去の二つ三つ  走波
生姜湯にホッと一息古本屋  走波
            


(句会寸描)

*兼題の「大根」は、頭一つ抜け出した朋子さんが一位となった。雑詠は大接戦の末、朋子さんと走波さんが一位を分け合った。兼題は、取り合わせの面白い句に人気が集まった。雑詠は、秋から冬にかけての季節の変わり目らしい句が目についた。




*兼題「大根」

◎大根に味染むまでの落語かな  朋子
「大根」を煮込む時間と「落語」の時間を上手く取り合わせた句となった。「大根」の仕上がる時間が、「落語」の「・・・丁度頃合いがよろしいようで」などといろいろと連想できるところも面白い。

○大根を煮こぼしてなほ本を読む  たつみ
よほどの本好きとみえる。「煮こぼして」いるのが分かっていても中断できないほど、面白い本なのだろう。


*当季雑詠

◎たいやき屋しっぽに並ぶ老夫婦  朋子
「たいやき」の「尻尾」と、買うために並んでいる行列の最後尾の「しっぽ」をかけ合わせて、ユーモラスに詠まれている。

◎茶の花や消したき過去の二つ三つ  走波
f6643fe1a07d1cb5b1a71318e4b1d77c_20211116093041b31.jpg

あまり思い出したくない過去の思い出を「茶の花」の奥ゆかしい清楚な雰囲気が、あたたかく包み込んでいるように思える。a>

○一葉の紅葉を添へて馳走かな  朋子
紅葉が楽しめる景色の中で、懐石料理を楽しんでいるのだろう。ただ本人に聞いてみると、それほど豪華なわけではなかったようだ。

○小春日のフランス映画午後の席  六星
ゆったりと映画鑑賞している様子が伺える。「小春日」と「フランス映画」の組み合わせが、しゃれている。

○朝に掃きまた朝に掃く落ち葉かな  進 
毎日のように積もる落葉を淡々と掃いている。秋らしい落ち着いた色が頭に浮かんでくる。

○冬隣あんドーナツの粒砂糖  えこ
厳しい冬を前にすると何となくほっこりした甘いものが食べたくなる。粒砂糖のジャリジャリした感覚と音も想像できる。


*次回予定
日時 十二月五日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「牡蠣」一句と当季雑詠を二句 


※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。

投句締切 十二月四日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 十二月五日(日)
選句締切 十二月八日(水)
選句連絡先 茂樹まで

  (茂樹 記)



未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示