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六月の俳句会 兼題「父の日」

2021年06月13日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第八十一号(令和三年六月)
  
今回も、コロナの緊急事態宣言により通信句会となった。参加者は、十五名であった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
(兼題、雑詠共投句到着順に列記)


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兼題 「父の日」

爆音を孕む叢雲父の日に  釜爺
父の日の読経ゆつくり上げてをり  ねむ女
父の日に手向けんバラはましろかな  愛幸
〇父の日や牌(ぱい)玉(たま)ボート猪鹿蝶  六星
◎父の日や蔵書の対価で母とお茶  えこ
父の日や遺影の父は三十歳  走波
◎父の日や背広のネーム取れぬまま  朋子
父の日やいつしか逝きし歳を超え  進
孫電話じいじいの日か父の日か  風外
父の日や父は語らぬ妣(はは)のこと  茂樹
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父の日よふた回り若く額の内(なか)  麦
目を閉じてありがとうと父の日よ   レイ個
〇父の日にドーナツの穴見入りおり  中中
父の日や老いても父は父のまま  厚子
父の日のポロシャツ箱に入れしまま  たつみ
 

当季雑詠

パンプスのかかと外れて米糠梅雨  釜爺
俺様のステッキとナイフ紅の花  釜爺 
脈の上(え)にミツコの匂ふ緑の夜  ねむ女
梅雨晴れ間下駄音高き輩あり  ねむ女
手折られしアンネのバラはあどけなき  愛幸
狭き庭ノラ猫二匹草いきれ  愛幸
飽き飽きて蝸牛(ででむし)となり殻閉じる  六星
銀幕の絵師はイケメン北斎忌  六星
〇踏切の分岐ポイントぎぃぃ夏  えこ
〇熱帯魚ほおづえついて眺めおり   えこ
木の幹を蟻忙(せわ)しげに登り降り  走波
雨上がり紫陽花の青空の色  走波
初夏の波ボラの稚魚の群れ乱し  朋子
年ごとに深まるしわや薄桜忌  朋子
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〇蟻の道角を四角に曲がりけり  進
鳥の声すれども見えず夏木立  進
窓ごしの南天の花今二十才(はたち)  風外
山笑う絵に描きたいなあの緑  風外
◎梅雨に入る耳鼻科診療中の札  茂樹
◎歌ひつつ下校の生徒枇杷熟るる  茂樹
打ち水と真白きのれん初鰹  麦
夢にみしゆめおひかけし明易し  麦
梅雨晴間草木の伸びにびびりけり  レイ個
梅雨晴間ペンキはかどる今日も充実  レイ個
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あはれなり住所不定のなめくじら  中中
飛魚の汽船率ひて入港す  中中
有無(ありなし)の日にぬるい野球観戦  厚子
風薫る廃墟の蔓(つる)のZ巻き  厚子
青梅雨や合羽の犬の遅歩き  たつみ
梅雨の日に父の蔵書を括りをり  たつみ



(句会寸描)

*兼題の「父の日」は、大接戦の末、えこさんと朋子さんが同点一位となった。雑詠は、茂樹が一位となった。兼題は、似通った句が多くみられ、選句に苦労されたようだ。雑詠は、今回馴染みの薄い季語がかなり見受けられたが、私自身、たいへん勉強になりました。ありがとうございました。


*兼題 「父の日」

◎父の日や蔵書の対価で母とお茶  えこ
恐らくお父様が遺された蔵書を処分したお金で、お母様とお茶を楽しまれたのであろう。お父様も蔵書がこういう形で役に立ってきっと喜ばれたことでしょう。

◎父の日や背広のネーム取れぬまま  朋子
何度かお父様の愛用された背広を処分しようと考えていたことが想像されるが、それにも増してお父様への深い思いも伝わってくる。

〇父の日や牌(ぱい)玉(たま)ボート猪鹿蝶  六星
麻雀、パチンコ、競艇、花札と盛り沢山の語句が、別の言葉の略称で分かりやすく無理なくまとめられている。お父様の豪快な生き方が思い浮かぶ。下五の「猪鹿蝶」の字余りもよく効いている。


〇父の日にドーナツの穴見入りおり  中中
 不思議な感じがする句である。ドーナツに穴が開いているのは当たり前のようだが、作者にとっては、興味深く思える。「母の日」ではなく「父の日」との取り合わせが上手くかみ合っている。


*当季雑詠

◎梅雨に入る耳鼻科診療中の札  茂樹
散歩中にふと目に留まった景である。梅雨時の「耳鼻科」という言葉の響きに惹かれるものがあった。

◎歌ひつつ下校の生徒枇杷熟るる  茂樹
近所の小学校の下校中の一コマである。子供らしく大声を出して歌っているのが印象的だった。

〇踏切の分岐ポイントぎぃぃ夏  えこ
踏切の普段目につかないところまでよく観察されている、下五「ぎぃぃ夏」を五音で読もうとすると「ぎいい夏」であるが、あえて「ぎぃぃ」としたところが独創的で臨場感がある。ただ「ぃぃ」と小文字が重なるので読みづらい。

〇熱帯魚ほおづえついて眺めおり  えこ
類句はありそうだが、夏の夜の涼し気な雰囲気がよく出ている。熱帯魚を眺めていると同時に水槽に映る自分の顔もぼんやりと眺めているのかもしれない。

〇蟻の道角を四角に曲がりけり  進
ブロック塀か何かであろう。当たり前のようであるが、人間だとどうしてもカーブを描いて曲がってしまう。蟻の動きを端的に捉えた中七の「角を四角に」が見事に言い得ている。



*次回予定
日時 七月四日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「合歓の花」一句と当季雑詠を二句 


※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。

投句締切 七月三日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 七月四日(日)
選句締切 七月七日(水)
選句連絡先 茂樹まで

  (茂樹 記)




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