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ダイバー幸子

2020年10月22日
小さな島の砂浜にはたまに小さな星が落ちてくる。
幸子は、手に砂を集めて星を探す。
良くみると四方に光を放つ小さな星が二つある。
ひとつは青白くもう一つは薄黄色く穏やかな光だ。
何億年?いや何億光年の遠くからこの小さな島に落ちてきているからその間にこんなに小さく削れてしまったのだ。
小さいけれど自らの力でこの小さな星は光を放っているのだ。
幸子はその星たちをポケットに入れてボタンを留めた。
星が出て行かないことを確認して幸子は砂浜のザクザクとした感触を感じながら海に入る。
その島の海は透き通ったエメラルド色をしている。
幸子はすーっと海に潜り魚たちに交わる。
ブルーグレイの魚たちは楽しそうに幸子のまわりをくるくる回る。
幸子もまわる。
幸子が深みに泳いでいくと魚たちも後からついていく。時々黄色と青の縞々のウミヘビも交わる。ウミヘビは好奇心が旺盛なのだ。
幸子と同じくらい大きな甲羅を持つ亀も笑いながらついてくる。この亀はいつも笑った顔をしている。
どんどん深みに泳いでいくとやがてサンゴ礁の美しい森に入る。
サンゴの森につくと幸子はポケットからさっき拾った星をサンゴ礁に住み着いているピンク色のイソギンチャクの上にそっと置いた。
そこで星は一層光って海の底を明るく照らした。
魚たちは美しく光る海で幸子のまわりを泳いでやがててんでに好きなところに行って幸子は笑い亀の背中につかまってまた浜辺に帰る。
浜辺では幸子の兄が木の上で何やら作っている。
あ、幸子の兄はダイバーで、宇宙から落ちて来たものを集めて不思議なものを作るのだ。


ダイバー幸雄は、ちかぢか地球で作ったものを売るらしい。

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(この拙文とダイバー幸雄の出てくるKAZUDO氏の作品展とは何の関係もありません。あしからず! リリ)







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