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八月の俳句会だより

2020年08月17日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第七十一号(令和二年八月)

八月九日(日)、暦の上では立秋を過ぎたが、まだまだ残暑厳しい日となった。礒根一晴さん・鳥生春葉さんの二人展の会場をお借りして、初参加の鳥生春葉さんと欠席投句の七名を含めて十五名の参加者で六時に、予定通りに始まった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)

    (兼題の出席者を清記順に列記 欠席投句は到着順)



兼題 「雨月」

あかあかとスタジアム沸く雨月かな  梢ゑ
声ひそめ過ぎし日語る雨月かな  朋子
スマホ揺れ揺れて流れし雨月かな  六星
沈没船アキツシマ千年雨の月  中中
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なにもせず昼夜逆転して雨月  えこ
◎芳一の琵琶の音色や月の雨  ねむ女
鯉勝つと儚し光雨後の月  春葉
自転車の犇めく三和土月の雨  茂樹
眠れぬ夜雨月なればと書を開く  愛幸
雨の月静かに本をめくりつつ  進
もう一本空き缶ならべ雨の月  釜爺
茶を淹れてふうと一息雨月なり  走波
伝わらぬ想いゆらゆら雨の月  たつみ
予定なく雨月の窓を眺め入る  厚子
○雨月には酒と目刺しと一人者  風外
当季雑詠
原爆忌母の箪笥を開けてみる  梢ゑ
ウォーキング肺の奥まで草いきれ  梢ゑ
○みつ豆の寒天所在なく残り  朋子
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○また年を重ねる頃やひつじ雲  朋子
氷柱に草閉じ込める午後三時  六星
◎桃の尻鎮座しておりご仏前  六星
魂まつり枯れヒマワリは行進す  中中
二つ星サーカスの居た埋立地  中中
金太郎つけてかぶりつけスイカ  えこ
たわわなり庭の真ん中にいちじく  えこ
玄米の炊ける間の昼寝かな  ねむ女
ガリ版のインクの匂ひ夏休  ねむ女
七夕に願ふ笑顔の筆踊る  春葉
健康と慶び愛でつつ菊見酒  春葉
フルートの流れコスモス揺らぎをり  茂樹
機を織るフェイスマスクや涼新た  茂樹
老いた夏風呂場に居つく猫哲学(ねこおもう)  愛幸
曲胡瓜(まげきゅうり)迸る滴(みず)新鮮に  愛幸
遠花火犬は驚き食べ残し  進
稲光窓も光れり猫起きず  進
(はらわた)に不服かかへて蔓荔枝(つるれいし)  釜爺
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ラストソロ流れて消えて天の川  釜爺
空色のインクの手紙夏帽子  走波
○長雨ののちの青空風天忌  走波
波はるか唐船浜(とうせんはま)に秋近し  たつみ
Tシャツの胸に滲む汗庭仕事  たつみ
公園に色なき風が運ぶ音  厚子
サルビアは古き記憶と蜜の味  厚子
赤トマト化学肥料で香りなし  風外
熊蝉や休まず鳴いて何ほしい  風外



(句会寸描)

*兼題の「雨月」は、僅差でねむ女さんが、一位となった。雑詠も接戦の末、六星さんが一位となった。難しい兼題だったが、皆さん果敢にトライされてそれぞれ個性的な句になった。雑詠は、投句数に比べ選句者の数が少なかったので、厳しい結果となった。

*兼題「雨月」

◎芳一の琵琶の音色や月の雨  ねむ女
「芳一」は、耳なし芳一のことであるが、平家一門を祀ってある現在の下関の赤間神社が目に浮かび、全体としてわびしい雰囲気が「月の雨」とよく馴染んでいる。

○雨月には酒と目刺しと一人者  風外
部屋に閉じこもって、気持ちよく手酌で一杯やっているものと思われる。ただ「目刺し」は、春の季語なので、今後取り合わせる際には、十分気を付けたい。

*当季雑詠

◎桃の尻鎮座しておりご仏前  六星
「桃の尻」と擬人化したところが、好評を得た。中七の「鎮座しており」は、いかにも座り心地が良さそうだ。

○みつ豆の寒天所在なく残り  朋子
日常の何でもない一コマを過不足なくありのままによく捉えている。その時の余韻が伝わってくる。

○また年を重ねる頃やひつじ雲  朋子
青空に大きく浮かぶ「ひつじ雲」を思い浮かべた。様々な鑑賞ができる句である。

○長雨ののちの青空風天忌  走波
映画「男はつらいよ」のラストシーンが、このようによく晴れ渡ったロケ地の情景で締めくくっている。現代のコロナ禍に通じるような感じがするという意見も出た。

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*次回予定

日時 九月六日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「檸檬(れもん)」一句と当季雑詠を二句

(茂樹 記)



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コメント
修平君の句
八月の俳句会の兼題「雨月」を出してくれたのは、尾道在住の画家山口修平君です。

それで、カモメの句会には来られませんでしたが作句をお願いしました。

-----修平君より

おはよーございます!
まだまだ暑いですねえ、危険な暑さらしいので、どうかお気をつけ下さい。

句会報、みました。
芳一の句、しんみりといいですね。尾道の句会は集まるのはやめよう、という事でオンラインで試しているところです。でも膝付き合わせてあれこれ言うのがいいなあ。

右頬を一つ掠めて月の雨

釣舟の雁木雨月の子守唄

潮時の人と窓辺の月の雨

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