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四月の句会はツバメ~!

2019年04月15日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第五十六号(平成三十一年四月)

四月七日(日)、選挙の投票日と重なり、丁度桜も満開となった。麻野瞳さんの個展会場をお借りして、欠席投句のりう子さんとえこさんを含めて十三名の参加者で六時開始となった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
  (清記逆順列記)


兼題「燕」

フォンタナの絵を切る早さツバメかな  風外
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焼鳥屋の軒に掛けたる燕の巣  ねむ女
○海越えて来たるつばめと帰るわれ  朋子
巣より落つ子ツバメを手にべそをかく  たつみ
宝くじ売場の記録つばめの日々  走波
◎思いきり顔あげ探すつばめの子  瞳
◎エジプトの唄運び来て初ツバメ  下駄麿
ふうわりと挨拶に来る燕二羽  六星
〇帰り道追い抜いてゆく夕燕  厚子
◎天を指す別院の屋根つばくらめ  新治
◎お米屋のオレンジジュース燕来る  七軒
○電線のつばめ通信よどみなく  茂樹
○瀬戸の島眺むる前をつばくらめ  りう子
幸福与えたか路に死すつばめ  えこ


当季雑詠

石内のしだれ桜に人の列  風外
桜見て無常悟る人もいる  風外
香よきものを集めて花御堂  ねむ女
新元号発布されたる万愚節  ねむ女
指先で鰆と書きて夕餉かな  朋子
◎夢の尾をつかみそこねて朝寝かな  朋子
○閉鍵を確かめ戻る花蘇芳  たつみ
夜桜に停まる自転車灯光る  たつみ
○歳問へば二百と答ふ母の春  走波
○所在なく無精紐ゆれ日の長し  走波
春セーターもう小さいね年長さん  瞳
ベランダの床を濡らしてシャボン玉  瞳
○サンパウロ三月の雨あまきこと  下駄麿
乗り鉄の列の二番目百聞忌  下駄麿
芸北の沼縁四月白き梅  星
文鳥の紅き嘴光太郎忌  六星
姥桜雀賑やかに舞踊る  厚子
雀の子おぼつかなき日忘れ得ぬ  厚子
大天守花の雫のその奥に  新治
春宵や風呂屋の壁にちひろの画  新治
動けぬが蒸気機関車花の幕  七軒
四尺三寸甲種合格花の陰  七軒
ふらここをダイナミックに漕ぐ姉妹  茂樹
春眠のリズムに合はせバス走る  茂樹
沈丁の香で想い出す卒業式  りう子
春休み学校の前は太鼓のうねり  りう子
春の宵路電の音とアコーディオン ヲルガン座にて  えこ
○にぎやかな手話のおしゃべり花見の座  えこ

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(句会寸描)

*兼題の「燕」は、大混戦の末、瞳さん、下駄麿さん、新治さん、七軒さんが一位を分け合った。雑詠は断トツで、朋子さんが一位となった。兼題の方は、それぞれ個性的な句が多く、選も分散された。雑詠の方は、特徴の際だつ句に選が集まったようだ。

*兼題「燕」

◎思いきり顔上げ探すつばめの子  瞳
作者によると子つばめを探す子供の様子を詠みこんだようだ。
「思い切り」に子供の必死に見ようとする様子がよく出ている。「つばめの子」そのもののことのようにも思える。

◎エジプトの唄運び来て初つばめ  下駄麿
 取り合わせの意外性と何やら謎めいた面白さがある。「エジプト」から「つばめ」は、日本へ飛んでこれないとの声もでた。

◎天を指す別院の屋根つばくらめ  新治
 「別院」という大景と「つばくらめ」の清々しさがよく合っている。広島の平和を象徴するような一景である。

◎お米屋のオレンジジュース燕来る  七軒
昭和の時代にタイムスリップしたような懐かしさがこみ上げてくる。今でもどこかのお米屋さんで売られているかもしれない。
こういう店には、燕の巣がよく似合う。


○海越えて来たるつばめと帰るわれ  朋子
 「つばめ」が移動する距離と人が移動する距離とのギャップが面白い。ただ「帰るわれ」は帰宅のようだがどこに帰るのか少
し分かりづらいかもしれない。

〇帰り道追い抜いてゆく夕燕  厚子
 人間や他の鳥などに追い抜かれることとは、また違った感じがある。颯爽と過ぎ去ってゆく燕の行き先を眺めている様子が目に浮かぶ。

○電線のつばめ通信よどみなく   茂樹
 電線に止まっている「つばめ」が、他の「つばめ」とモールス信号ではないが、忙しなく通信しているようだった。

○瀬戸の島眺むる前をつばくらめ  りう子
 おだやかに晴れ渡っている瀬戸内海と、静かに海を見つめる作者の様子が見えてくる。



*当季雑詠

◎夢の尾をつかみそこねて朝寝かな  朋子
今回の最高点句。「夢の尾」が斬新で多くの共感を得た。きっといい夢だったのに違いない。

○閉鍵を確かめ戻る花蘇芳  たつみ
 誰もが見過ごしてしまいそうな日常の景をさりげなく描写している。几帳面な作者の様子もうかがえる。

○歳問へば二百と答ふ母の春  走波
大変ほほえましい句である。「母の春」に作者のやさしさと思いやりを感じる。

○所在なく無精紐ゆれ日の長し  走波
「無精紐」が蛍光灯などを灯すための紐だとは知らなかったが、
「日の長し」と上手くかみ合っている。ただ「所在なく」が少し説明調である。

○サンパウロ三月の雨あまきこと  下駄麿
 三段切れになっているが、「雨あまきこと」に体験したかのような臨場感がある。「あ音」の響きが心地よく、いかにも南米らしい明るさを感じる。

○にぎやかな手話のおしゃべり花見の座  えこ
 「手話」の身振り手振りの仕草が、花見をにぎやかなものにしている。盛り上がっている様子がよく分かる。





*次回予定

日時 五月五日(日)十八時~二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「夏野菜一切」一句と当季雑詠を二句

      (茂樹 記)





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六星は、毎回読めなかったり意味が分からなかったりすることがあります。
今回も調べてみました。


●ルーチョ・フォンタナの「切り裂かれたキャンバス」

時代と共に人々の生活が変わっても、依然として絵画や彫刻といった芸術の手法や枠組みは変わらない・・・
印象派や野獣派、キュービズムに抽象画など、モチーフやマチエールが変わっただけで現代空間の様式の中で画家が描いた「美しい」は成りたっているのだろうか?・・・
そのことに強い疑問を抱いたルーチョ・フォンタナ (Lucio Fontana) は、1947年にミラノで空間主義(Spazialismo)を宣言し、そこから生れ出た、切り裂かれたキャンバスの作品「空間概念・期待:Concetto spaziale・Attesa&Attese」が時代に登場する・・・

それは、一色で塗り込めたキャンバスを切り裂き、穴をあけ、従来の平面的な風景や人物の絵画や抽象絵画という枠組みを越え、凹凸のある「キャンバスレリーフ」と云える様な、従来の絵画常識を飛び越えた「キャンバス一体型造形作品?」を創りだし、新たな美の時代の幕をあける・・・

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●『幸福な王子』 - 金色に輝く王子の像が、越冬のためエジプトに渡ろうとするツバメを使いにして、貧しく不幸な人々のために自らがまとう宝石や金箔を分け与える物語。


●百閒忌
読み方:ヒャッケンキ(hyakkenki)
内田百閒の忌日
季節 春
分類 宗教
月日 四月二十日



●エイプリルフールは、日本語では直訳で「四月馬鹿」、漢語的表現では「万愚節」、中国語では「愚人節」、 フランス語では「プワソン・ダヴリル」(Poisson d'avril, 四月の魚)と呼ばれる。




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