八月の俳句会は、スイカ!
2018年08月18日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第四十八号(平成三十年八月)
八月十二日(日)、厳しい残暑にも関わらず、十周年のカモメ祭りの初日とあって大いに賑わっていた。「ゆしどうふ」の皆さんの演奏の後に、欠席投句の下駄麿さんを含めて十一名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。(下駄麿さんは、お仕事終了後に駆けつけて下さった)
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所) (清記逆順列記)

兼題 「西瓜」
○悪しき夢覚めて貪る西瓜かな 華院
幼子の埋めし種より西瓜生る たつみ
平凡は嫌だとすいか四角なる 走波
ほのぬくし祖母の畑の西瓜抱く 六星
◎しばらくは厨に鎮座する西瓜 新治
地球真似大地に出し西瓜かな 麦
灯点さば西瓜提灯笑ひたる ねむ女
西瓜に刃当てるやバリッと割れにけり りう子
鋭角を空へ並べし西瓜かな 朋子
![suikasyouhintop[1]](https://blog-imgs-122-origin.fc2.com/r/i/r/riri28/20180818225341c89.jpg)
○奴の顔浮かぶたて長西瓜かな 茂樹
忌ま忌まし西瓜勝手を占領す 下駄麿
当季雑詠
壁に聞く三尺先の法師蝉 華院
空の部屋にわか掃除の盆休み 華院
二人居の西瓜小分けの品を買ふ たつみ
腹を上に金(かな)蚊(ぶん)も逝くアスファルト たつみ
秋めいて釣り人ひとり夕まづめ 走波
正座して起筆入れたる原爆忌 走波
秋の蚊を叩いて樹下の読書かな 六星
腹出して空見て静か秋の蝉 六星
◎虚ろなる夢二の挿絵秋団扇 新治
流燈に風のいたづらくるくるくる 新治
○綿あめを千切りし先に秋の空 麦
今朝の風脇すり抜けて秋立ちぬ 麦
手花火のこときるるときヂヂと鳴く ねむ女
住込みの用務員室花槿 ねむ女
今年また組み立てに惑ふ盆提灯 りう子
けだるさや簡易プールの午後の庭 りう子
子の無念母と悼むや法師蝉 朋子
すり抜けた空気はもしや秋風か 朋子
八月の空に轟音響きけり 茂樹
代替のバスを乗り継ぎ遠花火 茂樹
○炎帝の影彷徨ふか瓦礫の野(や) 下駄麿
ひっそりと台風の朝明けにけり 下駄麿
(句会寸描)
*兼題の「西瓜」、雑詠共に新治さんが一位になり、久しぶりの二冠達成となった。兼題は、身近な存在だけに皆さん工夫して個性的に詠まれていた。雑詠は、晩夏から初秋にかけての句材を幅広く詠まれていたためか、選も特定の句に偏ることなく分散されていた。
*兼題「西瓜」
◎しばらくは厨に鎮座する西瓜 新治
分かりやすく平明に詠まれ、「西瓜」の特徴をよく捉えて独特の雰囲気を出している。ただ詠み方に類似性があり、似たような句があるかもしれない。
○悪しき夢覚めて貪る西瓜かな 華院
「悪しき夢」と「西瓜」の取り合わせがユニークである。炎天の荒野を彷徨う夢でも見たのであろうか。
○奴の顔浮かぶたて長西瓜かな 茂樹
果物屋の店先で、普段あまり見かけないたて長の重量感のある「西瓜」を食い入るように見つめていたら、ふっとそんな感じがした。
*当季雑詠
◎虚ろなる夢二の挿絵秋団扇 新治
「虚ろなる夢二の挿絵」が好評を得た。この挿絵の中に「秋団扇」が描かれていたとも思えるし、「夢二の挿絵」と「秋団扇」を取り合わせたとも思える。一般的に「夢二の挿絵」はそれ自体で「虚ろ」な感じがするので、上五の「虚ろなる」は別な言葉で置き換えた方が良いかも知れない。
○綿あめを千切りし先に秋の空 麦
「綿あめ」を千切って空に晒している景がよく見えてくる。「秋の空」はよく澄んでいて筋雲くらいかかっているかも知れない。親が綿あめを手に高く掲げ、それを子供が嬉しそうに見ている姿が想像できる。
○炎帝の影彷徨ふか瓦礫の野(や) 下駄麿
一目見て今回の西日本豪雨の被災地の景が思い浮かんだ。中七の「影彷徨ふか」の問いかけに悲惨さが一層伝わってくる。下五の「瓦礫の野(や)」の「野」にわざわざ「や」とふりがなを付けたところも、荒れた感じが出てよく効いている。原爆のことを思わせるとの声も出た。
*次回予定
日時 九月二日(日)十八時〜二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 席題を一句と当季雑詠を二句
(茂樹 記)
土曜の朝は英語でおしゃべりタイム

We talk about・・・・石庭→宮島→鹿→肉→鶏→殺→走→鳩→怖。。。。
八月十二日(日)、厳しい残暑にも関わらず、十周年のカモメ祭りの初日とあって大いに賑わっていた。「ゆしどうふ」の皆さんの演奏の後に、欠席投句の下駄麿さんを含めて十一名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。(下駄麿さんは、お仕事終了後に駆けつけて下さった)
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所) (清記逆順列記)

兼題 「西瓜」
○悪しき夢覚めて貪る西瓜かな 華院
幼子の埋めし種より西瓜生る たつみ
平凡は嫌だとすいか四角なる 走波
ほのぬくし祖母の畑の西瓜抱く 六星
◎しばらくは厨に鎮座する西瓜 新治
地球真似大地に出し西瓜かな 麦
灯点さば西瓜提灯笑ひたる ねむ女
西瓜に刃当てるやバリッと割れにけり りう子
鋭角を空へ並べし西瓜かな 朋子
![suikasyouhintop[1]](https://blog-imgs-122-origin.fc2.com/r/i/r/riri28/20180818225341c89.jpg)
○奴の顔浮かぶたて長西瓜かな 茂樹
忌ま忌まし西瓜勝手を占領す 下駄麿
当季雑詠
壁に聞く三尺先の法師蝉 華院
空の部屋にわか掃除の盆休み 華院
二人居の西瓜小分けの品を買ふ たつみ
腹を上に金(かな)蚊(ぶん)も逝くアスファルト たつみ
秋めいて釣り人ひとり夕まづめ 走波
正座して起筆入れたる原爆忌 走波
秋の蚊を叩いて樹下の読書かな 六星
腹出して空見て静か秋の蝉 六星
◎虚ろなる夢二の挿絵秋団扇 新治
流燈に風のいたづらくるくるくる 新治
○綿あめを千切りし先に秋の空 麦
今朝の風脇すり抜けて秋立ちぬ 麦
手花火のこときるるときヂヂと鳴く ねむ女
住込みの用務員室花槿 ねむ女
今年また組み立てに惑ふ盆提灯 りう子
けだるさや簡易プールの午後の庭 りう子
子の無念母と悼むや法師蝉 朋子
すり抜けた空気はもしや秋風か 朋子
八月の空に轟音響きけり 茂樹
代替のバスを乗り継ぎ遠花火 茂樹
○炎帝の影彷徨ふか瓦礫の野(や) 下駄麿
ひっそりと台風の朝明けにけり 下駄麿
(句会寸描)
*兼題の「西瓜」、雑詠共に新治さんが一位になり、久しぶりの二冠達成となった。兼題は、身近な存在だけに皆さん工夫して個性的に詠まれていた。雑詠は、晩夏から初秋にかけての句材を幅広く詠まれていたためか、選も特定の句に偏ることなく分散されていた。
*兼題「西瓜」
◎しばらくは厨に鎮座する西瓜 新治
分かりやすく平明に詠まれ、「西瓜」の特徴をよく捉えて独特の雰囲気を出している。ただ詠み方に類似性があり、似たような句があるかもしれない。
○悪しき夢覚めて貪る西瓜かな 華院
「悪しき夢」と「西瓜」の取り合わせがユニークである。炎天の荒野を彷徨う夢でも見たのであろうか。
○奴の顔浮かぶたて長西瓜かな 茂樹
果物屋の店先で、普段あまり見かけないたて長の重量感のある「西瓜」を食い入るように見つめていたら、ふっとそんな感じがした。
*当季雑詠
◎虚ろなる夢二の挿絵秋団扇 新治
「虚ろなる夢二の挿絵」が好評を得た。この挿絵の中に「秋団扇」が描かれていたとも思えるし、「夢二の挿絵」と「秋団扇」を取り合わせたとも思える。一般的に「夢二の挿絵」はそれ自体で「虚ろ」な感じがするので、上五の「虚ろなる」は別な言葉で置き換えた方が良いかも知れない。
○綿あめを千切りし先に秋の空 麦
「綿あめ」を千切って空に晒している景がよく見えてくる。「秋の空」はよく澄んでいて筋雲くらいかかっているかも知れない。親が綿あめを手に高く掲げ、それを子供が嬉しそうに見ている姿が想像できる。
○炎帝の影彷徨ふか瓦礫の野(や) 下駄麿
一目見て今回の西日本豪雨の被災地の景が思い浮かんだ。中七の「影彷徨ふか」の問いかけに悲惨さが一層伝わってくる。下五の「瓦礫の野(や)」の「野」にわざわざ「や」とふりがなを付けたところも、荒れた感じが出てよく効いている。原爆のことを思わせるとの声も出た。
*次回予定
日時 九月二日(日)十八時〜二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 席題を一句と当季雑詠を二句
(茂樹 記)


We talk about・・・・石庭→宮島→鹿→肉→鶏→殺→走→鳩→怖。。。。
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