四月の俳句会は、席題でした!
2017年04月06日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第三十二号(平成二十九年四月)
四月二日(日)、今日も花冷えで桜の開花が進みません。木村遊夢さんの作品展の会場をお借りして、十三名(うち、りう子さんは欠席投句)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)

席題「配」 (清記逆順列記)
席題というのは、当日その場で出される題を詠みます。
今回は、カモメにあった本(水木茂のラバウル戦記)より当日の日付の四月二日にちなんで42ページの最初に出てくる漢字にされました。

鳥雲に入りて配列乱れざり 判字名
手のひらに配るひとつのよもぎもち 朋子
裏路地に彩り配る春の花 華院
配達の足音遠し朝寝かな 下駄麿
○誰(た)が立つか桜の影の気配かな 六星
◎新聞と花ひとひらの配られて 麦
風配る桜色したラブレター 遊夢
宅配に桜の花弁祝い印 厚子
冴え返る配信されず文返る 走波
梅生けた大瓶配し松濤苑 かかし
○春宵や配牌に刻子(コーツ)が二つ 志路
戦争の近づく気配鳥雲に 茂樹
雑詠(晩春)
○春深む更地に残る止水栓 判字名
れんげ野の面影はるかビルの町 朋子
花冷えに赤き声援力尽く 華院
○儚さを舌に残してさよりかな 下駄麿
春の昼泡沫(うたかた)の夢飛ぶ智恵子 六星
樹を裂き地を割り四月よ駆けめぐれ 麦
花月夜影があとからおにごっこ 遊夢
花冷えに浮き立つ歩数少し増え 厚子
◎春満月地球に似たる星ありて 走波
今年また燕と祝う誕生日 かかし
菜種梅雨窓を挟んでパンと人 志路
春灯温故知新の書道展 茂樹
城ケ崎打ちつける波春深む りう子
(句会寸描)
*席題の「配」はややばらけたが、麦さんが一位となり最高点を獲得した。雑詠の「晩春」もややばらけたが、走波さんが一位に輝いた。席題については、奇抜さに走らず平明に淡々と詠んだ句が多かった。雑詠については、季語を十分に活かした句が数多く見受けられた。全般的には、分かりやすく素直に詠まれていて今後も継続していきたい。
*席題「配」
◎新聞と花ひとひらの配られて 麦
朝のひと時を平明に分かりやすく詠まれている。ただ下五の「配られて」が説明的になっている。
○誰(た)が立つか桜の影の気配かな 六星
いろいろと想像させる句である。立っているのは恋人か友人か気になるところである。ただ焦点をぼかし過ぎているきらいもある。
○春宵や配牌に刻子コーツが二つ 志路
五・五・七の破調の句であるが、状況を端的に物で捉えているので、麻雀を楽しんでいる様子がすんなりと伝わってくる。但し麻雀を知らない人には全く意味が分からないので、出来るだけ専門用語は省きたい。
*雑詠(晩春)
◎春満月地球に似たる星ありて 走波
最近話題のニュースを上手く「春満月」と取り合わせている。限りないロマンのようなものも感じさせる。ただ下五の「星ありて」の「・・て」の終わり方がどこか説明的な感じを受ける。
○春深む更地に残る止水栓 判字名
無駄な言葉を省いて焦点を絞って詠んでいるだけに、情景がはっきり目に浮かぶ。「春深む」が何かを暗示しているようにも思える。
○儚さを舌に残してさよりかな 下駄麿
「儚さ」と「さより」との取り合わせに、ほど良い面白味を感じる。
句会には欠席されましたが、風外さんが後日提出されましたので付記させていただきます。
席題 春の夢我楽多すべてタダ配る 風外
雑詠 風ふけど木瓜の花びら動きなし 風外

かわいい岡山土産や美味しい栗ようかんなどいただきましたが、席題の緊張感かおやつがたくさん残りましてririいただきました。
*次回予定
日時 吟行 平成二十九年五月七日(日)十五時集合
句会 同日十八時~二十時
場所 吟行 平和公園噴水前(百メートル道路側)




句会 「カモメのばぁばぁ」
投句 平和公園の吟行句を二句
(茂樹 記)

(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)

席題「配」 (清記逆順列記)
席題というのは、当日その場で出される題を詠みます。
今回は、カモメにあった本(水木茂のラバウル戦記)より当日の日付の四月二日にちなんで42ページの最初に出てくる漢字にされました。

鳥雲に入りて配列乱れざり 判字名
手のひらに配るひとつのよもぎもち 朋子
裏路地に彩り配る春の花 華院
配達の足音遠し朝寝かな 下駄麿
○誰(た)が立つか桜の影の気配かな 六星
◎新聞と花ひとひらの配られて 麦
風配る桜色したラブレター 遊夢
宅配に桜の花弁祝い印 厚子
冴え返る配信されず文返る 走波
梅生けた大瓶配し松濤苑 かかし
○春宵や配牌に刻子(コーツ)が二つ 志路
戦争の近づく気配鳥雲に 茂樹
雑詠(晩春)
○春深む更地に残る止水栓 判字名
れんげ野の面影はるかビルの町 朋子
花冷えに赤き声援力尽く 華院
○儚さを舌に残してさよりかな 下駄麿
春の昼泡沫(うたかた)の夢飛ぶ智恵子 六星
樹を裂き地を割り四月よ駆けめぐれ 麦
花月夜影があとからおにごっこ 遊夢
花冷えに浮き立つ歩数少し増え 厚子
◎春満月地球に似たる星ありて 走波
今年また燕と祝う誕生日 かかし
菜種梅雨窓を挟んでパンと人 志路
春灯温故知新の書道展 茂樹
城ケ崎打ちつける波春深む りう子
(句会寸描)
*席題の「配」はややばらけたが、麦さんが一位となり最高点を獲得した。雑詠の「晩春」もややばらけたが、走波さんが一位に輝いた。席題については、奇抜さに走らず平明に淡々と詠んだ句が多かった。雑詠については、季語を十分に活かした句が数多く見受けられた。全般的には、分かりやすく素直に詠まれていて今後も継続していきたい。
*席題「配」
◎新聞と花ひとひらの配られて 麦
朝のひと時を平明に分かりやすく詠まれている。ただ下五の「配られて」が説明的になっている。
○誰(た)が立つか桜の影の気配かな 六星
いろいろと想像させる句である。立っているのは恋人か友人か気になるところである。ただ焦点をぼかし過ぎているきらいもある。
○春宵や配牌に刻子コーツが二つ 志路
五・五・七の破調の句であるが、状況を端的に物で捉えているので、麻雀を楽しんでいる様子がすんなりと伝わってくる。但し麻雀を知らない人には全く意味が分からないので、出来るだけ専門用語は省きたい。
*雑詠(晩春)
◎春満月地球に似たる星ありて 走波
最近話題のニュースを上手く「春満月」と取り合わせている。限りないロマンのようなものも感じさせる。ただ下五の「星ありて」の「・・て」の終わり方がどこか説明的な感じを受ける。
○春深む更地に残る止水栓 判字名
無駄な言葉を省いて焦点を絞って詠んでいるだけに、情景がはっきり目に浮かぶ。「春深む」が何かを暗示しているようにも思える。
○儚さを舌に残してさよりかな 下駄麿
「儚さ」と「さより」との取り合わせに、ほど良い面白味を感じる。

席題 春の夢我楽多すべてタダ配る 風外
雑詠 風ふけど木瓜の花びら動きなし 風外

かわいい岡山土産や美味しい栗ようかんなどいただきましたが、席題の緊張感かおやつがたくさん残りましてririいただきました。

*次回予定
日時 吟行 平成二十九年五月七日(日)十五時集合
句会 同日十八時~二十時
場所 吟行 平和公園噴水前(百メートル道路側)





句会 「カモメのばぁばぁ」
投句 平和公園の吟行句を二句
(茂樹 記)
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