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兼題  蝸牛

2016年06月09日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第二二号(平成二十八年六月)

六月五日(日)、広島も昨日梅雨入りし、鬱陶しい季節になりました。岡田愛子さんと浜崎りう子さんの二人展の会場をお借りして、十一名の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。(途中で来られた厚子さんは、選句不参加)
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)



兼題「蝸牛」             (清記逆順列記)

◎キラキラの曲線つなぐかたつむり     厚子
かたつむりお籠りさんで湿り待ち     華院
○かたつむりレタスの中の宇宙かな     六星                        
◎踊り場の今朝は二匹のかたつむり     志路         
蝸牛石見の国で芸術に          風外
○ででむしや明日の風を教えよや      釜爺             
○雨しとど葉陰に隠れかたつむり      走波         
かたつむりゆるり進むも標かな      かかし                
◎太き糞(まり)残す螺旋よかたつむり       判字名
かたつむりつのをふりたて舞ひにけり   朋子
○一軒づつガスの検針蝸牛         茂樹
 

当季雑詠(仲夏)

○蛍みる静なる川光る道          厚子
◎暁に煙る懐梅雨の山           華院
楠の大樹の枝折り青嵐          六星
○夏の夜のスーパーマーズ近(ちこ)う寄れ     志路           
枇杷の実が四車線の街路樹に       風外
○わけもなく帽子投げ捨て梅雨に入り    釜爺                 
ラムネ飲む瀬戸の夕暮れ波静か      走波
○忍び音も兄との話題故郷の        かかし
○応援の喉の暑さよ初勝利         判字名
○蛇口より落ちたる虹のひとしずく     朋子    
◎マイナンバーカード受け取る梅雨晴間   茂樹                

      



(句会寸描)

*兼題の「蝸牛」は、皆さんなかなか実物にお目にかかれなくてご苦労されたようだ。そのせいか選句もばらけてしまって、厚子さんと志路さんと判字名さんの三名がトップに並んだ。雑詠「仲夏」も同様に接戦となり、僅差で華院さんと茂樹が一位を分けた。兼題、雑詠とも、高点句は、感情を抑え、物に託した表現になっている。


*兼題「蝸牛」

◎キラキラの曲線つなぐかたつむり     厚子
分かりやすい表現になっている。なめくじではなく「かたつむり」だから「キラキラ」と美しい。

◎踊り場の今朝は二匹のかたつむり     志路
ふと踊り場で見つけた二匹の「かたつむり」、思わず見入ってしまいそうな様子が目に浮かぶ。

◎太き糞(まり)残す螺旋よかたつむり       判字名
 上五の「太き糞(まり)」と強調したところが良い。中七の「螺旋」も殻の渦巻きと上手くかみ合っている。

○かたつむりレタスの中の宇宙かな     六星
レタスを宇宙としてとらえるスケールの大きさが独特で面白い。

○ででむしや明日の風を教えよや      釜爺
 作者と「ででむし」との対話が微笑ましい。果たして「ででむし」には、あのアンテナみたいな角で風を察知できるのであろうか。
 
 ○雨しとど葉陰に隠れかたつむり      走波
 土砂降りのようであるが、「雨」、「葉陰」、「隠れ」、「かたつむり」のア音により明るい雰囲気になっている。

 ○一軒づつガスの検針蝸牛         茂樹
 ガスの検針中に紫陽花か何かの庭木に蝸牛を見つけたのであろうか。
 
*当季雑詠(仲夏)

◎暁に煙る懐梅雨の山           華院
 山並みの風景に「梅雨」を取り入れたところが面白い。ただ、「懐」で切れているので、場所が山懐と理解しにくいかも知れない。

◎マイナンバーカード受け取る梅雨晴間   茂樹
今、全国的に手続き中の「マイナンバーカード」。私は実際に晴れの日をねらって取りに行きました。

○蛍みる静なる川光る道          厚子
昨今は、特定の場所でしか「蛍」を見ることができない。道が光って見えるほどの「蛍」を見てみたい。

○夏の夜のスーパーマーズ近(ちこ)う寄れ     志路
最近、地球に大接近した火星のことであるが、下五の「近(ちこ)う寄れ」の表現にユーモアがある。

○わけもなく帽子投げ捨て梅雨に入り    釜爺
作者の「帽子」を投げ捨てたその気持ちと、「梅雨」が微妙にうまくかみ合っている。

○忍び音も兄との話題故郷の        かかし
「忍び音」は鶯の鳴き声のこと。故郷について語っている和やかなひと時が想像される。

○応援の喉の暑さよ初勝利         判字名
作者の弁によると女子サッカーのアンジュヴィオレの「応援」とのこと。作者の「初勝利」に対する熱い思いと爽快感が伝わってくる。

○蛇口より落ちたる虹のひとしずく     朋子
空に広がる大きな「虹」も美しいが、作者の細やかな視線による生活感のある「虹」も美しい。


*次回予定

日時 七月三日(日) 十八時~二十時 
場所 「カモメのばぁばぁ」
投句 「花火」と「晩夏」の句を一句ずつ
 
                   (茂樹 記)





六月の句会も難しかったけど楽しい時間でした。
毎回知らない季語を教えてもらえる。
前回、朋子さんが使った青嵐を私も使ってみました。アオアラシって何か素敵。
今回は糞と書いてまりと読むってびっくり。

カモメ夜の美術館の句会に参加されたい方は、兼題「花火」と雑詠「晩夏」の二句をお持ちください。
参加費 600円(1ドリンク付き)です。




irino.png
入野忠芳先生の 広島拘置所の壁画の為の原画(1989)なんだって。
今度探してみよう!


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