お楽しみ、五月の句会報告。
2016年05月11日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第二一号(平成二十八年五月)
五月八日(日)、長かったゴールデンウィークもとうとう最終日になりました。中島さやかさんと松本香菜子さんの作品展の会場をお借りして、十三名(内欠席投句一名)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。今回は、中島さやかさんと松本香菜子さんが初めて参加された。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
兼題「鯉幟等」 (清記逆順列記)
空高くトンビがまったり鯉のぼり 厚子
ピノキオを追い出し上げる鯉のぼり 判字名
願い込め庭木に下げし鯉幟 華院
○臨月のおなかなでつつ茅巻食べ 朋子
居酒屋の軒先ぶらり鯉のぼり 六星
鯉のぼり矩形の空を見上げをり 釜爺
鯉幟未来は龍と夢ひろげ 風外
○こいのぼり映して揺れる代田かな 麦
保育園壁に小さな鯉のぼり 香菜子
◎しまなみの夕日見守る鯉のぼり さやか
園児らの声を力に鯉幟 志路
◎鯉のぼり島に一つの駐在所 茂樹
吹流し頑張れカープ紛れをり 走波
当季雑詠(初夏)
急ぐ足鼻腔に残る若葉かな 厚子
初夏や恋と制服脱ぎ捨てる 判字名
筍を掘りし旬もう終わりたる 華院
にぎわいのテントをゆする青嵐 朋子
○五月晴れ洗濯物もはためかん 六星
ちりぬるを葉桜ひとはつねならむ 釜爺
筍は七日見ぬうち人の丈 風外
甘藍にしろきいしろとサインあり 麦
母の日に贈る絵手紙ありがとう 香菜子
ハンカチに残り香おとす母の日や さやか
白鷺がふわり空気の滑走路 志路
◎キルト縫ふミシンの音や風薫る 茂樹
五月雨や初恋の歌偲ばるる 走波
(村下孝蔵さんを偲ぶ)
(句会寸描)
*兼題の「鯉幟等」は初めて参加されたさやかさんが、いきなり最高得点を獲得して一位に輝いた。雑詠「初夏」では、「キルト・・・」の句を除き、選がばらついた。「鯉幟等」は一目で景が見えるわかりやすい句が皆さんに支持されたようだ。基本的なことだが、投句の際は楷書で分かりやすく丁寧に書くことと、清記する際は、写し間違いのないように、慎重に書き写すことを心掛けたい。
*兼題「鯉幟等」
◎しまなみの夕日見守る鯉のぼり さやか
「しまなみの夕日」と「鯉のぼり」の取り合わせが素晴らしい。夕焼の瀬戸内の島並みを気持ちよく泳ぐ鯉幟の景色がよく見えてくる。
◎鯉のぼり島に一つの駐在所 茂樹
この句も「鯉のぼり」と島の駐在所の取り合わせが、分かりやすく共感を呼んだようだ。
○臨月のおなかなでつつ茅巻食べ 朋子
中七の「おなかなでつつ」にこれから生まれてくる子供に対する作者の優しい愛情がにじみ出ている。お腹の赤ちゃんに「茅巻」を食べさせてあげているようでもある。
○こいのぼり映して揺れる代田かな 麦
昔はどこにでもあったこうした日本の田園風景は、今では限られた地域でしか見られなくなった。これから前向きに頑張ろうという元気の出る句である。ただ、「こいのぼり」と「代田」が季重なりになっているので、どちらかの季語に絞りたい。
*当季雑詠(初夏)
◎キルト縫ふミシンの音や風薫る 茂樹
小気味よい「ミシンの音」と「風薫る」の相性はなかなかよさそうだ。
○五月晴れ洗濯物もはためかん 六星
いかにも「洗濯物」がすぐにでも乾きそうな景色である。作者の、つかの間と思われる晴れ間を楽しんでいる様子も見えてくる。
*次回予定
日時 六月五日(日)十八時~二十時
場所 「カモメのばぁばぁ」
投句 「蝸牛」と「仲夏」の句を一句づつ
(茂樹 記)
今月もまた楽しい句会でした。
サビ子さん、いつも差し入れありがとうございます!
次回はでんでんむし~
参加費 200円+1ドリンク どなたでも俳句初心者の方でもどうぞ。
五月八日(日)、長かったゴールデンウィークもとうとう最終日になりました。中島さやかさんと松本香菜子さんの作品展の会場をお借りして、十三名(内欠席投句一名)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。今回は、中島さやかさんと松本香菜子さんが初めて参加された。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
兼題「鯉幟等」 (清記逆順列記)
空高くトンビがまったり鯉のぼり 厚子
ピノキオを追い出し上げる鯉のぼり 判字名
願い込め庭木に下げし鯉幟 華院
○臨月のおなかなでつつ茅巻食べ 朋子
居酒屋の軒先ぶらり鯉のぼり 六星
鯉のぼり矩形の空を見上げをり 釜爺
鯉幟未来は龍と夢ひろげ 風外
○こいのぼり映して揺れる代田かな 麦
保育園壁に小さな鯉のぼり 香菜子
◎しまなみの夕日見守る鯉のぼり さやか
園児らの声を力に鯉幟 志路
◎鯉のぼり島に一つの駐在所 茂樹
吹流し頑張れカープ紛れをり 走波
当季雑詠(初夏)
急ぐ足鼻腔に残る若葉かな 厚子
初夏や恋と制服脱ぎ捨てる 判字名
筍を掘りし旬もう終わりたる 華院
にぎわいのテントをゆする青嵐 朋子
○五月晴れ洗濯物もはためかん 六星
ちりぬるを葉桜ひとはつねならむ 釜爺
筍は七日見ぬうち人の丈 風外
甘藍にしろきいしろとサインあり 麦
母の日に贈る絵手紙ありがとう 香菜子
ハンカチに残り香おとす母の日や さやか
白鷺がふわり空気の滑走路 志路
◎キルト縫ふミシンの音や風薫る 茂樹
五月雨や初恋の歌偲ばるる 走波
(村下孝蔵さんを偲ぶ)
(句会寸描)
*兼題の「鯉幟等」は初めて参加されたさやかさんが、いきなり最高得点を獲得して一位に輝いた。雑詠「初夏」では、「キルト・・・」の句を除き、選がばらついた。「鯉幟等」は一目で景が見えるわかりやすい句が皆さんに支持されたようだ。基本的なことだが、投句の際は楷書で分かりやすく丁寧に書くことと、清記する際は、写し間違いのないように、慎重に書き写すことを心掛けたい。
*兼題「鯉幟等」
◎しまなみの夕日見守る鯉のぼり さやか
「しまなみの夕日」と「鯉のぼり」の取り合わせが素晴らしい。夕焼の瀬戸内の島並みを気持ちよく泳ぐ鯉幟の景色がよく見えてくる。
◎鯉のぼり島に一つの駐在所 茂樹
この句も「鯉のぼり」と島の駐在所の取り合わせが、分かりやすく共感を呼んだようだ。
○臨月のおなかなでつつ茅巻食べ 朋子
中七の「おなかなでつつ」にこれから生まれてくる子供に対する作者の優しい愛情がにじみ出ている。お腹の赤ちゃんに「茅巻」を食べさせてあげているようでもある。
○こいのぼり映して揺れる代田かな 麦
昔はどこにでもあったこうした日本の田園風景は、今では限られた地域でしか見られなくなった。これから前向きに頑張ろうという元気の出る句である。ただ、「こいのぼり」と「代田」が季重なりになっているので、どちらかの季語に絞りたい。
*当季雑詠(初夏)
◎キルト縫ふミシンの音や風薫る 茂樹
小気味よい「ミシンの音」と「風薫る」の相性はなかなかよさそうだ。
○五月晴れ洗濯物もはためかん 六星
いかにも「洗濯物」がすぐにでも乾きそうな景色である。作者の、つかの間と思われる晴れ間を楽しんでいる様子も見えてくる。
*次回予定
日時 六月五日(日)十八時~二十時
場所 「カモメのばぁばぁ」
投句 「蝸牛」と「仲夏」の句を一句づつ
(茂樹 記)
今月もまた楽しい句会でした。
サビ子さん、いつも差し入れありがとうございます!
次回はでんでんむし~


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