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新年のカモメ句会

2016年01月15日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第一七号(平成二十八年一月)

一月十日(日)、今年に入って穏やかなお天気が続き、初句会は、井手原敬一さんの作品展の会場をお借りして、十一名の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。今回は、麦さんがしっとりとした着物姿で登場し新年の雰囲気に華を添えた。(途中から来られた空心さんは見学のみとなった。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)


兼題「新年」             (清記逆順列記)

焙煎のけむりくぐりて初雀        判字名
初詣五円集めて神頼み          厚子
しんしんと夜気(やき)更けゆきて除夜の鐘    華院                
お雑煮を囲む卓(つくえ)に母は居ぬ        六星         
新年は百八つの鐘の音          風外
◎サイレンの貫き行くや去年今年      釜爺         
○座していざ墨摺りおろす淑気かな     麦        
お正月ヒッチハイカー乗せており     走波    
若水を汲み手順を語り継ぐ        かかし                
老犬の変わらぬ目覚め初日の出      志路
初空をゆったり歩む飛行船        茂樹


当季雑詠(冬)

◎手相見の静脈浮きて冬の月        判字名
着ぶくれと言い切る面(つら)の肉厚さ      厚子
庭先にあでやかなるは冬椿        華院  
○幾万のダイヤ散りばめ新春(はる)の川      六星       
ザクザクと雪をけちらし己斐峠      風外
○年玉や文箱に残る袋かな         釜爺
 シャリシャリと雪は林檎のごとくあり   麦                 
暖冬を信じて咲きしバラ一輪       走波
ガス燈と親しむ家路冬の暮        かかし
 頂をしかと示して冬の雷         志路          
○醤油蔵の暗き奥行寒の入         茂樹          

      
(句会寸描)

*兼題の「新年」は季語が見事にばらけたが釜爺さんが「去年今年」という季語を選ばれて断トツのトップとなった。雑詠「冬」では、判字名さんがわずかの差でトップとなった。「新年」はそれぞれに感じとられた季語を使ったので画一的にならず、バラエティーに富んだ句の鑑賞ができた。雑詠ではただ見たものをそのまま報告するのではなく、作者の思いが秘められたものも見受けられ、句の幅が広がったように思う。



*兼題「新年」

◎サイレンの貫き行くや去年今年      釜爺 
「去年今年」を使った句として、高浜虚子の代表句の一つでもある「去年今年貫く棒の如きもの」があまりに有名であるが、この句は「貫く」ものが具体的な「サイレン」になっており表現の工夫が上手くなされている。

○座していざ墨摺りおろす淑気かな     麦 
新年にあたり書初を前にした作者の心新たに取り組む雰囲気が上五の「いざ」という表現によく表れている。

*当季雑詠(冬)
◎手相見の静脈浮きて冬の月        判字名
 「手相見」の様子を細かく観察して「冬の月」と取り合わせているが、中七の「静脈浮きて」が下五の「冬の月」と上手くかみ合って作者と手相見の心模様まで想像させる句である。

○幾万のダイヤ散りばめ新春(はる)の川      六星
よく晴れ渡った日などに見慣れた川面の光景だが、やはり「新春(はる)」ともなると見る人によっては格別な景色となる。冒頭の「幾万のダイヤ散りばめ」に作者の感激した様子が率直に良く表れている。

○年玉や文箱に残る袋かな         釜爺
この句は感情を抑えて見たままをさりげなく語りかけている。それだけに作者の深い思い入れがじわりと伝わってくる。

○醤油蔵の暗き奥行寒の入         茂樹
 「醤油蔵」は一年中暗く、奥行があるので一層暗く感じられる。特に一番寒い時季には寒さと暗さが響き合って趣がある。


*次回予定
日時  二月七日(日)十八時~二十時 
場所  「カモメのばぁばぁ」
投句  兼題「梅」 雑詠「初春」それぞれ一句ずつ

 
                   (茂樹 記)




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2016年も俳句会にお仲間が集まって来られました。
なぜか燃える俳句の会も二度目のお正月です。
今年も茂樹さんとみなさまどうぞよろしくお願いします。  六星


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