句会便り 『ひな祭り』など。
2015年03月09日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第七号(平成二十七年三月)

三月七日(土)、雛祭の後、少しずつ暖かくなった中での句会、大西美穂(俳号・華(か)剛(ごう))さんとたけちようこ(俳号・織子(おりこ))さんの「植物と糸がおりなす二人展」の会場をお借りして、華(か)剛(ごう)さん、織子(おりこ)さん、山下眞麗子さん、しのぶさんが新しく句会に加わり、十四名(うち欠席投句者五名)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。(その後、途中から華(か)剛(ごう)さんが参加して下さった。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)
兼題「雛祭他」 (清記順列記)
○菓子箱にそっとならべし紙(かみ)雛(ひいな) 茂樹
去りし日のお内裏様と甘い酒 眞麗子
雛納めそそくさ済ますお年頃 華院
○ひだまりのべんちにすわるめおとびな 空心
○ながし目で横顔うかがう男(お)びなかな 釜爺
遠い日の五人ばやしの笛(ふえ)太鼓(だいこ) 六星
◎なき母のおもいをのせてひなかざり 湖月
ひとりよりふたりでいたいひな祭り 走波
留学生見つめつづける内裏様 美恵
◎灯(とも)し雛(びな)父母(ふぼ)の微笑(ほほえ)み照らす道 華(か)剛(ごう)
ひなまつり人形出さず娘ごめん 織子(おりこ)
◎たちびなの赤き衣に夢重ね 裕一郎
ひな祭り白酒ねだる右大臣 はるお
当季雑詠(春)
○芽柳のゆらゆらゆらりゆらゆらり 茂樹
挿(す)げ替(か)えの春さようなら解かぬ雪 眞麗子
○卒業に袴(はかま)そよがせ前を向く 華院
春風の声を聞いたら母の声 空心
○恋(こい)猫(ねこ)は指先かぎて消(き)ゆる哉(かな) 釜爺
○ほろよいのみあげる先のおぼろ月 湖月
○枯れ枝もつぼみを付けて春を待ち 六星
◎そのかどをまがれば続くさくら道 走波
我が帰り待ちわびて咲く梅一輪 美恵
春装(はるそう)花(か)喜(よろこ)び叶うパステルの糸 華(か)剛(ごう)
祝卒業希望いっぱい十二才 織子(おりこ)
歳をへて花より梅の品の良さ 裕一郎
春一番はるか黄砂を連れてくる はるお
春眠や行きつ帰りつ菜の花畑 しのぶ
(句会寸描)
*兼題の「雛祭他」は関連の季語がたくさんあるので様々な句が並んで選句も割れた。雛祭の思い出を懐かしんでいる句も多く見受けられた。雑詠「春」では、走破さんの「さくら道」の句が本日の最高点句となった。来月がお花見吟行なので次回に残しておけばという声も聞かれた。
*兼題「雛祭他」
◎なき母のおもいをのせてひなかざり 湖月
毎年の娘の「ひながざり」を天国のおかあさんもさぞ心待ちの事でしょう。母娘のつながりの深さを感じさせる。
◎灯(とも)し雛(びな)父母(ふぼ)の微笑(ほほえ)み照らす道 華(か)剛(ごう)
「灯(とも)し雛(びな)」を眺めながら、ご両親に対する作者のあたたかい思いがよく表れている。
◎たちびなの赤き衣に夢重ね 裕一郎
「たちびなの赤き衣」は艶やかな女性を感じさせ、「夢重ね」には作者のほのかなロマンがある。
○菓子箱にそっとならべし紙雛(ひいな) 茂樹
豪華な雛飾りではないが、こういうどこかさびしげな雛飾りもある。
○ひだまりのべんちにすわるめおとびな 空心
どこかの公園で思いがけずベンチに仲良く座っている夫婦を見て「めおとびな」だと直感した。
○ながし目で横顔うかがう男(お)びなかな 釜爺
「男(お)びな」の切れ長の目を見て「ながし目」と捉えたところに作者のユニークな感性とユーモアが垣間見える。
*当季雑詠(春)
◎そのかどをまがれば続くさくら道 走波
一見、どこにでもある風景であるが、「さくら道」の桜がどうなっているのだろうかとか、心地よい風が吹いているのではとか、
いろいろと想像させて、情景もよく見えてくる。
○芽柳のゆらゆらゆらりゆらゆらり 茂樹
そういわれてみると「芽柳」が風に吹かれている様子はこんな感じか・・・。
○卒業に袴(はかま)そよがせ前を向く 華院
どこかの卒業式の日の実景であろう。颯爽と晴れやかに歩く女学生の姿が伝わってくる。
○恋(こい)猫(ねこ)は指先かぎて消(き)ゆる哉(かな) 釜爺
「指先」にお相手の猫の匂いが残っているのであろうか。果たして作者から消えたあとのこの猫の恋の行方は・・・。
○ほろよいのみあげる先のおぼろ月 湖月
酒宴の合間に一息ついているところのようである。気持ちよく酔っているのは間違いなさそうだ。
○枯れ枝もつぼみを付けて春を待ち 六星
「枯れ枝」にようやく新芽のつぼみがふくらんで春を心待ちにしている様子が伝わってくる。ただ「枯れ枝」と「春を待ち」の冬の季語が重なっているので今後は、注意したい。
*次回予定
日時 四月五日(日)十七時集合 十八時~句会
場所 「かもめのばぁばぁ」周辺 お花見吟行
投句 吟行句を二句(欠席投句は桜の句を二句)
(茂樹 記)
今回も白熱と笑いの入り混じる楽しい句会でした。
点が入る時も入らない時もあるけれどなんとなく次回が待ち遠しい俳句の会です。
まとめ役の茂樹さんを中心にその時集まれる方でゆるくやっていますから、俳句に興味のある方などどなたでも予約なしでいらしてください。
会費 500円(1ドリンク付き)

三月七日(土)、雛祭の後、少しずつ暖かくなった中での句会、大西美穂(俳号・華(か)剛(ごう))さんとたけちようこ(俳号・織子(おりこ))さんの「植物と糸がおりなす二人展」の会場をお借りして、華(か)剛(ごう)さん、織子(おりこ)さん、山下眞麗子さん、しのぶさんが新しく句会に加わり、十四名(うち欠席投句者五名)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。(その後、途中から華(か)剛(ごう)さんが参加して下さった。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)
兼題「雛祭他」 (清記順列記)
○菓子箱にそっとならべし紙(かみ)雛(ひいな) 茂樹
去りし日のお内裏様と甘い酒 眞麗子
雛納めそそくさ済ますお年頃 華院
○ひだまりのべんちにすわるめおとびな 空心
○ながし目で横顔うかがう男(お)びなかな 釜爺
遠い日の五人ばやしの笛(ふえ)太鼓(だいこ) 六星
◎なき母のおもいをのせてひなかざり 湖月
ひとりよりふたりでいたいひな祭り 走波
留学生見つめつづける内裏様 美恵
◎灯(とも)し雛(びな)父母(ふぼ)の微笑(ほほえ)み照らす道 華(か)剛(ごう)
ひなまつり人形出さず娘ごめん 織子(おりこ)
◎たちびなの赤き衣に夢重ね 裕一郎
ひな祭り白酒ねだる右大臣 はるお
当季雑詠(春)
○芽柳のゆらゆらゆらりゆらゆらり 茂樹
挿(す)げ替(か)えの春さようなら解かぬ雪 眞麗子
○卒業に袴(はかま)そよがせ前を向く 華院
春風の声を聞いたら母の声 空心
○恋(こい)猫(ねこ)は指先かぎて消(き)ゆる哉(かな) 釜爺
○ほろよいのみあげる先のおぼろ月 湖月
○枯れ枝もつぼみを付けて春を待ち 六星
◎そのかどをまがれば続くさくら道 走波
我が帰り待ちわびて咲く梅一輪 美恵
春装(はるそう)花(か)喜(よろこ)び叶うパステルの糸 華(か)剛(ごう)
祝卒業希望いっぱい十二才 織子(おりこ)
歳をへて花より梅の品の良さ 裕一郎
春一番はるか黄砂を連れてくる はるお
春眠や行きつ帰りつ菜の花畑 しのぶ
(句会寸描)
*兼題の「雛祭他」は関連の季語がたくさんあるので様々な句が並んで選句も割れた。雛祭の思い出を懐かしんでいる句も多く見受けられた。雑詠「春」では、走破さんの「さくら道」の句が本日の最高点句となった。来月がお花見吟行なので次回に残しておけばという声も聞かれた。
*兼題「雛祭他」

◎なき母のおもいをのせてひなかざり 湖月
毎年の娘の「ひながざり」を天国のおかあさんもさぞ心待ちの事でしょう。母娘のつながりの深さを感じさせる。
◎灯(とも)し雛(びな)父母(ふぼ)の微笑(ほほえ)み照らす道 華(か)剛(ごう)
「灯(とも)し雛(びな)」を眺めながら、ご両親に対する作者のあたたかい思いがよく表れている。
◎たちびなの赤き衣に夢重ね 裕一郎
「たちびなの赤き衣」は艶やかな女性を感じさせ、「夢重ね」には作者のほのかなロマンがある。
○菓子箱にそっとならべし紙雛(ひいな) 茂樹
豪華な雛飾りではないが、こういうどこかさびしげな雛飾りもある。
○ひだまりのべんちにすわるめおとびな 空心
どこかの公園で思いがけずベンチに仲良く座っている夫婦を見て「めおとびな」だと直感した。
○ながし目で横顔うかがう男(お)びなかな 釜爺
「男(お)びな」の切れ長の目を見て「ながし目」と捉えたところに作者のユニークな感性とユーモアが垣間見える。
*当季雑詠(春)

◎そのかどをまがれば続くさくら道 走波
一見、どこにでもある風景であるが、「さくら道」の桜がどうなっているのだろうかとか、心地よい風が吹いているのではとか、
いろいろと想像させて、情景もよく見えてくる。
○芽柳のゆらゆらゆらりゆらゆらり 茂樹
そういわれてみると「芽柳」が風に吹かれている様子はこんな感じか・・・。
○卒業に袴(はかま)そよがせ前を向く 華院
どこかの卒業式の日の実景であろう。颯爽と晴れやかに歩く女学生の姿が伝わってくる。
○恋(こい)猫(ねこ)は指先かぎて消(き)ゆる哉(かな) 釜爺
「指先」にお相手の猫の匂いが残っているのであろうか。果たして作者から消えたあとのこの猫の恋の行方は・・・。
○ほろよいのみあげる先のおぼろ月 湖月
酒宴の合間に一息ついているところのようである。気持ちよく酔っているのは間違いなさそうだ。
○枯れ枝もつぼみを付けて春を待ち 六星
「枯れ枝」にようやく新芽のつぼみがふくらんで春を心待ちにしている様子が伝わってくる。ただ「枯れ枝」と「春を待ち」の冬の季語が重なっているので今後は、注意したい。
*次回予定
日時 四月五日(日)十七時集合 十八時~句会
場所 「かもめのばぁばぁ」周辺 お花見吟行

投句 吟行句を二句(欠席投句は桜の句を二句)
(茂樹 記)
今回も白熱と笑いの入り混じる楽しい句会でした。
点が入る時も入らない時もあるけれどなんとなく次回が待ち遠しい俳句の会です。
まとめ役の茂樹さんを中心にその時集まれる方でゆるくやっていますから、俳句に興味のある方などどなたでも予約なしでいらしてください。
会費 500円(1ドリンク付き)
そこに、たけちようこさんが登場されていたので驚きました。
私が、たけちさんとお会いしたことがありますと言うと先生やクラスの人が驚いてました。
おいでえやぁ!!
いいですね・・・言葉絵・・・・。
最近、頭使ってないなぁ・・・。
言葉遊びはとっても楽しいです。
おっちゃん、カカ様がいなくてさみしいですね~、がんばってね。