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第6回鴎句会の報告。

2015年02月12日
今日もカモメは、おしゃれな作品に囲まれてゆっくりまどかさん時間が流れていきます。

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井上まどか個展「3びきのこぶた展」 2月14日(土)まで。

まどかさんとririとアトムがおまちしています。






おそくなりましたが、6回目のカモメ夜の美術館の句会のご報告。

カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第六号(平成二十七年二月)

二月二日(月)、年が明けて二回目の句会、井上まどかさんの「3びきのこぶた展」の会場をお借りして、まどかさんと、後藤朋子さん、仁木美恵さん、湖月さんが新しく句会に加わり、十一名(うち欠席投句者一名)の参加者で六時過ぎに、平日の夕方の慌ただしい中はじまった。(その後、途中から園部貴之さんが飛入りで投句のみ参加した。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)

兼題「節分他」             (清記順列記)

○弓を射る羽織袴の年男          茂樹
時は過ぎ豆まくふたりパパとママ     まどか
◎春隣り猫の目遠い窓辺かな        美恵
◎豆まいて招きいれたし想い人       華院
◎鬼が来て豆まく子供の目に泪       裕一郎
横綱(よこづな)がむんずと摑(つか)む豆の升(ます)        釜爺  
小利口な自分が嫌で豆をまく       朋子
賑やかに子等の声する福は内       走波        
節分や小(ちい)さき手手(てて)に豆四(よっ)つ        六星
○いえあかりおにとこどものわらうこえ   湖月
○「しゃんとせえ」自分にむけて豆をまく  新治
 春を待つみんなこぶたの仲間かな     貴之(投句のみ)

当季雑詠(冬または春)
台湾へ友を見送る春隣          茂樹
俳句会緊張冷えて足がつり        まどか
小包に干し柿とあり友の字で       美恵
公園の散歩日和に鴨の親子        華院
寒なのに老梅の花香り咲く        裕一郎
○星さえも凍(い)て落(お)つるかな二十五時(にじゅうごじ)     釜爺
○結び目の指先寒し初みくじ        朋子
○オリオンに送られている帰り道      走波
○冬木立(ふゆこだち)向こうに青い空(そら)透(す)けた       六星
ほおかぶりゆるむあがてのかじかんで   湖月
◎焼き芋のみぎ手ひだり手跳び移り     新治
 福の衆まどかな月がてらしてる      貴之(投句のみ)
 


(句会寸描)

*兼題の「節分他」は皆さん難しかったようで票も割れた。昨今の節分は、テレビで楽しんだり恵方巻きを食べたりとあまり実感の薄い行事になりつつあるようだ。雑詠の「冬または春」では、またもダントツの最高得点で前回同様に欠席投句の篠原新治さんが一人勝ちした。次回は是非、句会の席で実力の片りんを見せてもらいたいものだ。

*兼題「節分他」

◎春隣り猫の目遠い窓辺かな        美恵
 温かい部屋の出窓で猫が眠そうに細い目で外を眺めている感じがよく出ている。

◎豆まいて招きいれたし想い人       華院
 「鬼は外」ではなく「福は内」の句のようだ。一見女性の句のようだが作者は男性。バレンタインやホワイトデーではなく、節分の恋の句に意外性がある。

◎鬼が来て豆まく子供の目に泪       裕一郎
 節分の様子を素直な目で良く捉えている。大人になるとそうでもないが、子供の時は鬼が怖くてたまらなかった。

○弓を射る羽織袴の年男          茂樹
 早稲田神社の節分祭の景であるが、句のリズムが良いようだ。

○いえあかりおにとこどものわらうこえ   湖月
 全てひらがなの表現に暖かな一家団欒の様子が見えてくる。ただ「おに」だけでは季語にならないので今後は気をつけたい。

○「しゃんとせえ」自分にむけて豆をまく  新治
 「自分に向けて豆をまく」とはちょっと変わっている。鬼ではなく自分に向けて言い聞かせているのは、大変ユニークだ。

*当季雑詠

◎焼き芋のみぎ手ひだり手跳び移り     新治
 焼き芋が「熱い」とか「大きい」などの形容詞を使わず、動作を客観的に忠実に捉えたことにより、作者の焼き芋が熱くてたまらない様子が手に取るように伝わってきて、皆の共感を得た。

○星さえも凍(い)て落(お)つるかな二十五時(にじゅうごじ)     釜爺
 仕事が遅くなって時計を見たらもう翌日の「二十五時」。外に出てみると寒々と星が輝いている。夜遅くまで仕事をしている人の共感を得た。

○結び目の指先寒し初みくじ        朋子
初詣のおみくじを結び付けるのに手が悴んで苦労している様子がよく伝わってくる。ただ「寒し」(冬)と「初みくじ」(新年)と季語が重なっているので今後は注意したい。

○冬木立(ふゆこだち)向こうに青い空(そら)透(す)けた       六星
 温かい頃は見えなかった景色が、いつの間に落葉した「冬木立」の枝の隙間から真っ青な空が見えていることに作者は気付いた。惜しむらくは「空(そら)透(す)けた」よりも「空(そら)透(す)けて」の方が余韻があってよいとの声も・・・。

○オリオンに送られている帰り道      走波
 何か用事を済ませての帰り道であろうか。頭上の「オリオン」の星に見守られている作者の安心感が伝わってくる。
           
                   (茂樹 記)


※次回の句会は、3月7日(土)pm6時から8時。(予定です)
兼題等は、またお知らせいたします。
どなたでもどうぞ。



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