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カモメ夜の句会 四月は「桜(花)一切」

2024年04月20日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報百十五号(令和六年四月)
 
例年だと、もう桜が散っている頃だが、今年は満開である。『新宅善光さんの作品展』の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の八名を含めて十三名となった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記) 



兼題 「桜(花)一切」


初花に遅いと諭すお爺さん  六星
風止みて手水に浮かぶ落花かな  進
花の樹皮染めたる布は桜色  たつみ
花散るやメメント・モリと君の言ふ  斑猫
◎落ち合うて川逍遥の夕桜  麦
桜咲き淡く重なる綴れおり  月青
満開の染井吉野の雑木山  茂樹
桜舞う春風に乗り夢覚める  ぬりかべ
北に住む友からライン桜咲く  走波
とりどりのお弁当あり花の昼  えこ
○初めての靴は水色開花待つ  朋子
川面には桜競って行列が  風外
散歩道スマホ片手の花調査  春一番

     
当季雑詠
      
卒業の母子は今日はケーキセット  六星
菜種梅雨香典返しのチョコレート  六星
雨上がり土のにほひや春の暮れ  進
◎あやかしの気配おちこち春の月  進
春の雨電車の中は人まばら  たつみ
眼に想い込める俳優花の雨  たつみ
牡丹雪メビウスの輪をくぐり消ゆ  斑猫
言葉なく腹話術師の春の夜  斑猫
揚雲雀かくれんぼだね空のなか  麦
肴は鰆ほんのりとさくら色  麦
天泣の先に木蓮凛と咲く  月青
寄せ植えのパンジー摘んでミニブーケ  月青
○失恋の猫と老婆の石畳  茂樹
開演を待つ劇場の芝桜  茂樹
桜もちピンクの息吹口いっぱい  ぬりかべ
風光る柳が揺れる春の唄  ぬりかべ
雨の降る傘にはりつく花一片(ひとひら)  走波
春時雨終の住処と決めたとこ  走波
風光る土手に三脚八雲(やくも)待つ  えこ
静電気除去シート柔し目借時  えこ
○花冷えやわが手の甲の蒼き路  朋子
古本のワゴンに注ぐ春日かな  朋子
あり歩くひさしぶりねと声掛ける  風外
白すみれ孫の笑顔か泣顔か  風外
柔らかくレトロに灯る夜木蓮  春一番
姿変えのんびり進む春の雲  春一番



(句会寸描)

*兼題は、接戦の末、麦さんが一位となった。雑詠は、進さんが頭一つ抜け出し一位に輝いた。兼題は、毎年のことで在り来たりになりやすいが、個性的な句が多かった。雑詠は、雨の句やユニークな感じのものが目を引いた。

*兼題 「桜(花)一切」

◎落ち合うて川逍遥の夕桜  麦
どことなくロマンチックな雰囲気も感じさせる。「花筏」ではないかという意見もあった。ただ「川逍遥の」は川の中をぶらぶら歩くともとられるかもしれない。

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○初めての靴は水色開花待つ  朋子
いろいろと想像を膨らませる句である。これから幼稚園に入園しようとしているようにも思える。中七の「靴は水色」が初々しい。「開花」は「初花」の傍題のように思えるが、季語としては馴染みが薄い。


*当季雑詠

◎あやかしの気配おちこち春の月  進
「春の月」が不気味な雰囲気を漂わせている。妖怪でも出てきそうな生温かな空気を感じる。春は、いろいろなものが動きだす季節だ。

○失恋の猫と老婆の石畳  茂樹
川辺を歩いていると「老婆」が猫に餌を与えていた。しかしながら猫の様子がどこか寂しそうだったので、ふと思い浮かんだ。

○花冷えやわが手の甲の蒼き路  朋子
こういう「花冷え」の取合せは珍しい。浮き出ている血管である。直接血管といわず「手の甲の蒼き路」と表現したところが「花冷え」とよく馴染んでいる。
                 

           
*次回予定

日時 五月五日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「風」(風を含む夏の句)一句と当季雑詠を二句

  (茂樹 記)
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