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二月の句会 『立春』

2024年02月17日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報百十三号(令和六年二月)
  
早いものであっという間に立春を迎えたが、ぽかぽか陽気とはならず、今日も寒い。ソネ里子さんの個展『物語ははじまる スペインタイルと粘土造形』の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、初めてのソネ里子(俳号:里子)さんと欠席投句の六名を含めて十七名となった。

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所) 
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)




兼題 「立春」


ポケットに両掌差し込み春立ちぬ  ぬりかべ
○立春にこっそり卵立ててみる  麦
春立つや読むは源氏の物語  ねむ女
立春や池も魚も二倍速  風外
立春よまだ寒いけど春ですよ  春一番
○バス待ちの列の姿勢や春来る  えこ
立春の椀を彩る加賀麩かな  走波
春立ちて能登に安堵の日を祈る  六星
○早咲きの花にこぼるる春時雨  半片
立春の眩き朝に友逝けり  進
立春は春に向かう登竜門  彩鳥
春来たるオレンジのジャムを煮てゐる  月青
◎柑橘のジャムを煮る朝春立ちぬ  たつみ
○立春や路地より路地へスクーター  茂樹
立春や新スタジアムの白き屋根  朋子
砂青く立春の夜の海の風  斑猫
立春よ父のキオクにドアたたく  里子
    

当季雑詠

湯たんぽやぬくみぱしゃぱしゃ洗面器  ぬりかべ
○見上げれば真っ直ぐ迫るぼたん雪  ぬりかべ
小さき傘クルクルルクル雪解雨  麦
◎初午やイタヤ狐の六人衆  麦
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寒卵九つ割つてオムライス  ねむ女
背縫ひなき着物纏へる女正月  ねむ女
梅蕾縦に一本白き線  風外
節分の豆だけ先に盗み食い  風外
寒波にて屋内避難で咲き始め  春一番
冬籠り増えるは目方と腹周り  春一番
如月やゴールド免許を更新す  えこ
高校生進路揺るる日の春の雪  えこ
袋小路水仙の香のただよへり  走波
堤にて日向ぼこするヌートリア  走波
軒下で囀る声に耳澄ます  六星
○淡空と川面に揺らら冬の月  六星
○節分や撒き人知らずの豆を踏み  半片
春は来ぬとは言ふものの雪マーク  半片
二つ三つ落ちて際立つ寒椿  進
白梅や見あぐる犬と四十雀  進
春菊が旨い歳になりにけり  彩鳥
ここにきて面目躍如の冬将軍  彩鳥
ヒヤシンス日毎成長たしかめる  月青
サブスクに流れ聞き入る春の歌  月青
雪まろげ昭和歌謡の男女かな  たつみ
懺悔の値打ちもなく雪降り積もる  たつみ
豆受くる途端霰に打たれけり  茂樹
春雨をゆるり電動車椅子  茂樹
二月尽期間限定抹茶菓子  朋子
飛鳥より吉野巡りて人麻呂忌  朋子
少女たち淫らに笑う謝肉祭  斑猫
暁月の踏絵悲しき邪宗門  斑猫
チョコが来るまたかまたかと春来たる  里子
春が来る思わなくても春は来る  里子

      
(句会寸描)

*兼題は、接戦の末、たつみさんが一位となった。雑詠も、接戦となり麦さんが一位に輝いた。兼題・雑詠とも選が分かれて、それぞれ個性的な題材を春らしく取り上げていた。
 
                              
*兼題 「立春」

◎柑橘のジャムを煮る朝春立ちぬ  たつみ
オレンジであろうか、何の「柑橘」であろうか、いろいろと考えられる。「柑橘」のさわやかで甘酸っぱい香りが、春の訪れをいち早く感じさせる。
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○立春にこっそり卵立ててみる  麦
中七の中にある「こっそり」の表現がおもしろい。卵を何とか立てようとしている作者の目が輝いて、春がこれから動きだそうとしている雰囲気がある。

○バス待ちの列の姿勢や春来る  えこ
冬の間は、体が縮こまりがちだったが、待ちに待った春がやってきた。まだまだ体感上の寒さは変わらないが、心なしか背筋をぴんと張っているように思える。

○早咲きの花にこぼるる春時雨  半片
「早咲きの花」は寒緋桜や河津桜のように思われる。この時期の雨はまだまだ冷たいが、雨のこぼれている情景が瑞々しくて美しく感じられる。

○立春や路地より路地へスクーター  茂樹
何かの買い物帰りのようだった。いかにも気持ちよさそうに狭い道をすいすいと運転していた。

*当季雑詠

◎初午やイタヤ狐の六人衆  麦
「初午」は、お稲荷さんにお参りして油揚げをお供えし、五穀豊穣や商売繁盛を祈る日と云われている。秋田の伝統工芸の「イタヤ狐」を上手く擬人化している。

○見上げれば真っ直ぐ迫るぼたん雪  ぬりかべ
 粉雪と違って「ぼたん雪」は大きくて重い。それだけに中七の「真っ直ぐ迫る」には迫力と臨場感があり、過不足なく言い表している。

○淡空と川面に揺らら冬の月  六星
「冬の月」は、どこか冷たい感じがするが、「淡空」があるので、いくぶんか和らいだ情景となっている。「揺らら」もほんわかした雰囲気を醸し出している。ただ擬態語のようなので「ゆらら」とすべてひらがなの方がいいかもしれない。

○節分や撒き人知らずの豆を踏み  半片
 豆撒きが既に終わった所をたまたま通りがかったのだろうか。「撒き人知らず」の表現が想像をかき立ておもしろい。
        
                    
*次回予定

日時 三月三日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「雛祭」一句と当季雑詠を二句

     (茂樹 記)
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