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九月の句会 兼題は「色」を入れて作る

2022年09月12日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第九十六号(令和四年九月)   
残暑厳しい中、少しずつ朝晩は涼しくなってきた。「三浦寿秀さん 作品展」の会場をお借りして、いつものように十八時開始となった。参加者は、欠席投句の五名を含めて十名となった。   

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(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
   (兼題は清記順に列記 雑詠も兼題の清記順に列記)


兼題 「色一切」  

黄と青の国旗の揺れて秋思かな  厚子
○群青の夜空のあわい月昇る  たつみ
夜なべして赤い表紙の辞典読む  走波
○白壁に映る影あり秋の蝶  進
◎鰯雲土手さんぽする赤いくつ  えこ
たっぷりと赤茄子を入れオムライス  ねむ女
赤ポスト封書をポトリ秋澄めり  六星
山頂の無色の風や秋近し  朋子
球場の真っ赤に染まり燕去ぬ  茂樹
無花果の割れし実の赤ほろ甘き  愛幸

  
当季雑詠

名月や他人(ひと)に言いたくなりにけり  厚子
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phot by Hiroe
花畠嬉しげな母の水やり   厚子
○剥げかけた鞄の持ち手秋の旅  たつみ
無花果の皮緩くなり指濡れて  たつみ
通学路子ら行き帰る9月かな   走波
◎母宛の父の手紙や敗戦忌  走波
◎秋鯖や皮目に残る波の色   進
里山を並んで飛ぶや赤蜻蛉  進
台風や防災施設から体感  えこ
エナメルの靴ぴかぴかに秋の空  えこ
新涼や辞書を引きつゝ睦郎の句  ねむ女
台風が来るぞ歯医者に行かないと  ねむ女
公園に置いてけぼりの秋の蝉  六星
冬瓜の毛に刺されたる指を見る  六星
不穏なる風や予報は初嵐  朋子
吾亦紅疎遠な友の訃報かな   朋子
◎少年に声かけらるる水の秋  茂樹
百葉箱へ色変へぬ松影落し  茂樹
秋の風木陰を渡る涼しさや  愛幸
むっとする暑さの中にもトンボ飛ぶ   愛幸
                                       

(句会寸描)

*兼題の「色一切」は、えこさんが一位となった。雑詠は、大激戦の末、走波さん、進さん、茂樹が一位を分け合った。兼題はどの句も色を上手く取り入れていて読み応えがあった。今回は兼題・雑詠共に、かなり選が偏った。

*兼題「色一切」

◎鰯雲土手さんぽする赤いくつ  えこ
雄大な「鰯雲」に対して、身近な「赤いくつ」に焦点を絞ったところが、対照的で面白い。「さんぽ」と「くつ」の平仮名表記からは、小さなお子さんを連れているシーンが目に浮かぶ。

○群青の夜空のあわい月昇る   たつみ
美しい月夜の雰囲気を醸し出している。ただ中七の「夜空のあわい」の「あわい」が「淡い」なのか「間」なのか今一つ分かりにくかった。

○白壁に映る影あり秋の蝶  進
「白壁」に映る影と「秋の蝶」の取合せがとても絵画的で美しい。

*当季雑詠

◎母宛の父の手紙や敗戦忌  走波

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「手紙」の内容は、よく分からないが、「敗戦忌」から察すると戦地から送られてきたようにも思われる。この時期のご両親の貴重な「手紙」を今もなお大事にされていることが尊い。 

◎秋鯖や皮目に残る波の色   進
「秋鯖」を観て「波の色」と捉えた観察力がすばらしい。魚は、海からの恵みであることをあらためて感じた。

◎少年に声かけらるる水の秋  茂樹
「土手」を降りて太田川を眺めていたら、「土手」を歩いている「少年」から「こんにちは」と声をかけられた。

○剥げかけた鞄の持ち手秋の旅  たつみ
「剥げかけた鞄」に作者の旅の友としての深い愛着が感じられる。「秋の旅」との取合せがよく合っている。


*次回予定
日時 十月二日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題「数一切を入れた句」一句と当季雑詠を二句

※新型コロナウイルスの状況次第では、通信句会とします。
投句締切 十月一日(土)
投句先 茂樹または六星さん
清記公表 十月二日(日)
選句締切 十月五日(水)
選句連絡先 茂樹まで

    (茂樹 記)


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反古画(ほごえ)展

2022年09月08日
ただいま、三浦寿秀 反古画展 開催中です。

約束をほごにする・・・という時の反古です。

文字の上に雲水、修行僧を重ねて描いてありそのどれもが何か言いたそうで完成した絵画の個展という風ではありません。
追及してやまない作家の姿と重なります。

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遅れて女性も来て未完成と作家は言われていましたが、そのまますぐに嫁にいくことになりました。


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飛んでいる木もあります。
跳んでいるのかも。


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そして、木の上に!


九月一日から九月十五日
火曜はお休みです。


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