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今年最後の俳句会

2019年12月05日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報 第六十四号(令和元年十二月)

十二月一日(日)、日が暮れるのが、すっかり早くなってきた。石井紀子さんの個展の会場をお借りして、欠席投句のたつみさん、晶子さん、初参加で欠席投句の石井紀子(俳号 空月)さんを含めて十三名の参加者で六時に、いつものように始まった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
(清記逆順列記)

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席題 「面」

○鮟鱇やさだめに媚びぬ面がまえ  朋子
冬日向水面に映える影の山  愛幸
ほろ酔いで面を上げれば初時雨  進
面取りのビーナスの頬白き雪  六星
築地精養軒にて
湯豆腐は面妖なりと独逸人  下駄麿
月面の凸凹見えて手冷たし  走波
事納めなんとかなると図面出す  厚子
面差しは母親に似て綿帽子  ねむ女
◎冬の朝小手面胴のはずむ息  えこ
几帳面な妻ずぼら夫蒲団干す  茂樹


当季雑詠

ジャズの音が川面に流る冬うらら  朋子
七五三吾子は晴れ着でブランコへ  朋子
雪がこひ日暮れまでにと母ひとり  愛幸
クリスマス劇の主役は小僧かな   愛幸
日暮れより白くなりけり冬の雨  進
冬空や白き糸引く銀の羽  進
主の無い古家の門の冬の梅  六星
冬の蚊に我が頬叩く午前二時  六星
仁王様ねこに護らる小春かな  下駄麿
○冬ざれて長きまゆ毛の一二本  下駄麿
孫からの電話で見たる冬の虹  走波
喪中葉書届き始めて十二月  走波
年賀状もうやめたいとLINE(ライン)あり  厚子
冬銀河疲れ目で見る別世界  厚子
「撮影中」の張り紙したる青写真  ねむ女
◎撥条の時計がボンと小六月  ねむ女
枝葉を風が鳴らす冬の楽器  えこ
空高く葉をさらいゆく冬の風  えこ
しまなみの薄墨染むる冬霞  茂樹
散紅葉柿葺き屋根走りけり  茂樹
雑踏に見え隠れする冬帽子  たつみ
通夜の経聞きながら講の葱刻む  たつみ
冬の日にふわりと浮ぶ昼陽かな  空月
枯づるをまきつけ弾むクリスマス  空月
初氷構わず進む蟻の群れ  晶子
聖夜の灯光も闇も飲み込んで  晶子




(句会寸描)

*席題の「面」は、頭一つ抜け出し、えこさんが一位となった。雑詠の方は断トツでねむ女さんが一位となった。席題は、熟語が多いせいか、バラエティーに富んだ作品となった。雑詠は、上位二句に選が偏ってしまう結果となった。

*席題 「面」

◎冬の朝小手面胴のはずむ息  えこ
下五を「はずむ声」とせずに「はずむ息」としたところがいかにも「冬の朝」らしい。剣道の元気な声が聞こえて、冷え込んだ朝の、剣士の白い息も見えてくるようだ。

○鮟鱇やさだめに媚びぬ面がまえ   朋子
上五、下五の「鮟鱇や」と「面がまえ」が、それだけでもうあのグロテスクな表情が目に浮かぶ。ただ、中七の「さだめに媚びぬ」と思いを述べてしまったのが惜しまれる。


*当季雑詠

◎撥条の時計がボンと小六月  ねむ女
余計なことを一切いわず、省略がよく効いている。ぽかぽか陽気の小春日和の中、時報を告げる「撥条時計」の心地よい響きが伝わってくる。穏やかな平和のひと時である。
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○冬ざれて長きまゆ毛の一二本  下駄麿
「冬ざれて」と「長きまゆ毛の一二本」が上手く馴染んでいる。長いまゆ毛といえば村山元首相を思い出し、どこかユーモラスな感じもする。


*次回予定

日時 一月十二日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題(初一切)一句と当季雑詠を二句
(茂樹 記)


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先日、奥田元宋美術館に風呂部活動で安西水丸の作品を観に行きました。
彼は、和田誠・嵐山光三郎・村上春樹氏なんかと俳句を楽しんでいたそうで俳句カレンダーも作ったとか書いてあったのでさっそくカモメの句会のカレンダーを作ってみました。
勝手に六星選で写真なども選んで張り付けて楽しい作業でした。

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