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十一月の俳句会

2019年11月09日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第六十三号(令和元年十一月)

十一月三日(日)、三連休の中日は、丁度文化の日と重なった。石丸光枝さんの個展の会場をお借りして、欠席投句のねむ女さん、新治さん、えこさんと初参加の丹波晶子さん、五月愛幸さん、陰山明枝さんを含めて十三名の参加者で六時に、いつものように始まった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)
    (清記逆順列記)


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兼題 「短日」

ことさらによく泣く稚児日の短か  明枝
気を抜くと猫背になりて日短し  走波
短日や道行く犬の尾の白し  進
日短し残り野菜のスープかな  六星
◎酒場までおっとり歩く日の短  下駄麿
短日や青菜洗ひし手を止める  たつみ
短日や為すべきことが多過ぎて  厚子
短日や呉の戦艦影を増し   愛幸
神まつる紙垂のはためく短日の暮れ  晶子
短日の朝日さしこむ裏の路地  茂樹
○ちゃん付けで呼ぶ夫のゐて日短  ねむ女
◎短日や絡まる銀のネックレス  新治
山路に入る高速バス日短し  えこ



当季雑詠

平凡といふ誉め言葉冬ぬくし  明枝
諦むることも勇気か冬の雷  明枝
牛乳を温めてをり秋時雨  走波
老いてよりすべていとほしおけら鳴く  走波
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冬の日に猫はますます丸くなり  進
裏庭の陽のさす角(すみ)に枇杷の花  進
踊り子のつま先で立つ朝寒し  六星
ドヌーブの髪のほつれや秋の昼  六星
何事もなき日が善き日即位の日  下駄麿
ラガーらの影長く曳きノーサイド  下駄麿
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寝そべりて犬は尾を振る日向ぼこ  たつみ
○花梨の実いびつなままで地に落ちる  たつみ
凩が集めてきたるゴミ捨てる  厚子
不器用な生き様笑ふ村時雨  厚子
紅葉色上から下のグラデーション  愛幸
○結婚の記念日に食む秋刀魚寿司  愛幸
露寒し電車をまつ明け番の駅  晶子
くるくると舞い落ち小山となる紅葉  晶子
のんびりと句会してゐる文化の日  茂樹
オレンジの沈む太陽冬ざるる  茂樹
◎障子貼る母の遺せし障子紙  ねむ女
○キッチンの何処で鳴くや鉦叩  ねむ女
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今年米ぽっほぽっほと湯気吹いて  新治
泡立草の繁栄ゆるす里の畑  新治
◎朝寒やポケットの中に手がふたつ  えこ
しぐれ鍋きのこの山のくつくつと  えこ


(句会寸描)

*兼題の「短日」は、下駄麿さんと新治さんが一位を分け合い、雑詠は欠席投句のねむ女さんとえこさんが一位を分け合った。今回は、兼題、雑詠共、欠席投句の方が、圧勝する結果となった。


*兼題 「短日」

◎酒場までおっとり歩く日の短  下駄麿
作者によると、夜が長いので気持ちの余裕を詠まれたようだ。時間の余裕がたっぷりある冬の夜を十二分に楽しみたいという雰囲気も伝わってくる。

◎短日や絡まる銀のネックレス  新治
一見、何の関係もない取り合わせのように見えるが、中七の「絡まる銀の」の「絡まる」に、どこか日が短くなって焦っているような感じがする。それと「金」ではなく「銀のネックレス」も意外と「短日」に合いそうだ。

○ちゃん付けで呼ぶ夫のゐて日短  ねむ女
このような夫婦もおりますねとの感想も出た。ユーモラスで、いつまでも青春のような仲睦まじい夫婦像が読み取れる。「日短」もよく効いている。


*当季雑詠

◎障子貼る母の遺せし障子紙  ねむ女
障子紙を広げながら、あらためて母のことを懐かしく思い出している。お母様が遺された障子紙には、きっと良き思い出がいっぱい詰まっているのに相違ない。

◎朝寒やポケットの中に手がふたつ  えこ
講評では、下五の「手がふたつ」が話題になり、片方の手が「恋人」や「子供」の手だとか色々出てきた。いずれにしても、「朝寒」に対して、「手がふたつ」による手の温もりとの対比が分かりやすく、仲良く寒さをしのいでいる様子も伺える。

○花梨の実いびつなままで地に落ちる  たつみ
「花梨の実」の落ちる様子を見たことはないが、地面に転がっている姿はまさに「いびつ」という言葉がぴったり当てはまる。

○結婚の記念日に食む秋刀魚寿司  愛幸
「結婚の記念日」にいただく食事としての意外性が面白い。「秋刀魚寿司」のイメージから庶民的な店で舌鼓を打つ姿が想像できる。

○キッチンの何処で鳴くや鉦叩  ねむ女
台所仕事が一段落して、「鉦叩」の小気味よい鳴き声が「キッチン」に響いているものと思われる。「鉦叩」の声が聴ける環境が羨ましい。


*次回予定

日時 十二月一日(日)十八時〜二十時 
場所 カモメのばぁばぁ
投句 席題一句と当季雑詠を二句 

     (茂樹 記)



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