2017年〆の俳句会
2017年12月28日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第四十号
(平成二十九年十二月)
十二月十七日(日)、句会が二週間延期になったこともあり、出足も遅かった。まつおあきさんの「個展」の会場をお借りして、最近にしては珍しく欠席者の多い中、八名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)

兼題「冬着一切」 (清記逆順列記)
トンネルの風にマフラーなびかせて 華院
〇マフラーやロートレックの赤い色 走波
![ambassadeurs[1]](https://blog-imgs-108-origin.fc2.com/r/i/r/riri28/2017122801431347e.png)
靴下の穴つぶりし寒き夜は 六星
〇どうよこれ姿見ごしの冬帽子 下駄麿
〇マスクしてすれちがう人匿名の人 麦
◎ねんねこをはみ出してゐる踵(きびす)かな ねむ女
〇手袋に吐息まもなく終電車 新治
〇お互いにマスクを付けて立ち話 茂樹
雑詠(仲冬)
◎竜王の七つ冠冬の虹 華院
◎雑貨屋の色溢るるやクリスマス 走波
〇冬の廊こじき仏の目やひとつ 六星
◎そりゃそうだそうなんだけど鮟鱇鍋 下駄麿
キタキツネ万事受けよう天のこと 麦
友と君秤に掛けし年の暮 ねむ女
〇午後五時半街路絢爛雪催 新治

うんこ展うんこの箸置き年詰まる
茂樹
(句会寸描)
*兼題「冬着一切」は激戦となったが、ねむ女さんが一位となった。雑詠「仲冬」は混戦模様となり華院さん、走波さん、下駄麿さんが一位にならんだ。兼題は着るより身に付けるものを詠んだ句が多かった。雑詠は全く毛色の違った個性的な句が並び読みごたえがあった。少人数ではあったが、年忘れの句会らしく大いに盛り上がった。
*兼題「冬着一切」
◎ねんねこをはみ出してゐる踵(きびす)かな ねむ女
かわいい赤ちゃんの雰囲気がよく出ている。作者によると赤ちゃんをおんぶしている様子を詠まれたそうだ。「踵(きびす)」の使い方に賛否両論が出た。
〇マフラーやロートレックの赤い色 走波
「冬着一切」の題からロートレックを取り合わせたのが面白い。ただ「赤」はそれだけで色が分かるので、「赤い色」としなくてもよかったかもしれない。
〇どうよこれ姿見ごしの冬帽子 下駄麿
帽子まで決めて、完璧なファッションに満足している姿が目に浮かぶ。
〇マスクしてすれちがう人匿名の人 麦
マスクをしている人を「匿名の人」と捉えたところがユニークで、共感するところがあった。
〇手袋に吐息まもなく終電車 新治
手袋をしていても寒いと云う厳しい寒さと、終電車のちょっとした緊張感がよく伝わってきます。
〇お互いにマスクを付けて立ち話 茂樹
最近こういう人達を街角でよく見かけるようになった。
*雑詠(仲冬)
◎竜王の七つ冠冬の虹 華院
将棋の羽生善治棋聖の永世七冠の偉業達成を詠んでいるが「冬の虹」がよく効いている。ただ中七の「七つ冠」と少し間延びした感じが気になる。
◎雑貨屋の色溢るるやクリスマス 走波
クリスマスの商品が並ぶ雑貨屋の雰囲気がよく出ている。「雑貨屋の」の「の」を「を」にした方が良いと云う意見も出た。
◎そりゃそうだそうなんだけど鮟鱇鍋
熱心に議論しながら「鮟鱇鍋」をつつく様子が目に浮かぶ。理屈っぽい口語調の言い回しと「鮟鱇鍋」が上手くかみ合っている。
〇冬の廊こじき仏の目やひとつ 六星
作者曰く「冬の廊」の「廊」は画廊のことだそうだ。ひと気のあまりない静かな空間で、じっと仏の絵を観ている姿が目に浮かぶ。
〇午後五時半街路絢爛雪催 新治
百メートル道路のドリミネーション点灯の頃、今にも雪が降りそうになっている情景を全て漢字で上手く詠んでいる。中七の中の「絢爛」が今一つ効いてないような気がする。
*次回予定
日時 一月七日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題(後)と雑詠(新年一切)を一句ずつ
(茂樹 記)
ーーーーーーーーーーーーーーー
句会に集まるカモメ俳人たちの一句一句に感心するばかりのまた一年が過ぎました。
面白い世界に引きずり込まれて末席でも楽しくて楽しくて。
今年も一年、茂樹さんとお仲間のみなさんどうもありがとうございました。
今回も、華院さん新冶さんサビ子さん美味しい差し入れをごちでした!!
ではまた初句会で!
六星
(平成二十九年十二月)
十二月十七日(日)、句会が二週間延期になったこともあり、出足も遅かった。まつおあきさんの「個展」の会場をお借りして、最近にしては珍しく欠席者の多い中、八名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)

兼題「冬着一切」 (清記逆順列記)
トンネルの風にマフラーなびかせて 華院
〇マフラーやロートレックの赤い色 走波
![ambassadeurs[1]](https://blog-imgs-108-origin.fc2.com/r/i/r/riri28/2017122801431347e.png)
靴下の穴つぶりし寒き夜は 六星
〇どうよこれ姿見ごしの冬帽子 下駄麿
〇マスクしてすれちがう人匿名の人 麦
◎ねんねこをはみ出してゐる踵(きびす)かな ねむ女
〇手袋に吐息まもなく終電車 新治
〇お互いにマスクを付けて立ち話 茂樹
雑詠(仲冬)
◎竜王の七つ冠冬の虹 華院
◎雑貨屋の色溢るるやクリスマス 走波
〇冬の廊こじき仏の目やひとつ 六星
◎そりゃそうだそうなんだけど鮟鱇鍋 下駄麿
キタキツネ万事受けよう天のこと 麦
友と君秤に掛けし年の暮 ねむ女
〇午後五時半街路絢爛雪催 新治

うんこ展うんこの箸置き年詰まる

(句会寸描)
*兼題「冬着一切」は激戦となったが、ねむ女さんが一位となった。雑詠「仲冬」は混戦模様となり華院さん、走波さん、下駄麿さんが一位にならんだ。兼題は着るより身に付けるものを詠んだ句が多かった。雑詠は全く毛色の違った個性的な句が並び読みごたえがあった。少人数ではあったが、年忘れの句会らしく大いに盛り上がった。
*兼題「冬着一切」
◎ねんねこをはみ出してゐる踵(きびす)かな ねむ女
かわいい赤ちゃんの雰囲気がよく出ている。作者によると赤ちゃんをおんぶしている様子を詠まれたそうだ。「踵(きびす)」の使い方に賛否両論が出た。
〇マフラーやロートレックの赤い色 走波
「冬着一切」の題からロートレックを取り合わせたのが面白い。ただ「赤」はそれだけで色が分かるので、「赤い色」としなくてもよかったかもしれない。
〇どうよこれ姿見ごしの冬帽子 下駄麿
帽子まで決めて、完璧なファッションに満足している姿が目に浮かぶ。
〇マスクしてすれちがう人匿名の人 麦
マスクをしている人を「匿名の人」と捉えたところがユニークで、共感するところがあった。
〇手袋に吐息まもなく終電車 新治
手袋をしていても寒いと云う厳しい寒さと、終電車のちょっとした緊張感がよく伝わってきます。
〇お互いにマスクを付けて立ち話 茂樹
最近こういう人達を街角でよく見かけるようになった。
*雑詠(仲冬)
◎竜王の七つ冠冬の虹 華院
将棋の羽生善治棋聖の永世七冠の偉業達成を詠んでいるが「冬の虹」がよく効いている。ただ中七の「七つ冠」と少し間延びした感じが気になる。
◎雑貨屋の色溢るるやクリスマス 走波
クリスマスの商品が並ぶ雑貨屋の雰囲気がよく出ている。「雑貨屋の」の「の」を「を」にした方が良いと云う意見も出た。
◎そりゃそうだそうなんだけど鮟鱇鍋
熱心に議論しながら「鮟鱇鍋」をつつく様子が目に浮かぶ。理屈っぽい口語調の言い回しと「鮟鱇鍋」が上手くかみ合っている。
〇冬の廊こじき仏の目やひとつ 六星
作者曰く「冬の廊」の「廊」は画廊のことだそうだ。ひと気のあまりない静かな空間で、じっと仏の絵を観ている姿が目に浮かぶ。
〇午後五時半街路絢爛雪催 新治
百メートル道路のドリミネーション点灯の頃、今にも雪が降りそうになっている情景を全て漢字で上手く詠んでいる。中七の中の「絢爛」が今一つ効いてないような気がする。
*次回予定
日時 一月七日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 兼題(後)と雑詠(新年一切)を一句ずつ
(茂樹 記)
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句会に集まるカモメ俳人たちの一句一句に感心するばかりのまた一年が過ぎました。
面白い世界に引きずり込まれて末席でも楽しくて楽しくて。
今年も一年、茂樹さんとお仲間のみなさんどうもありがとうございました。
今回も、華院さん新冶さんサビ子さん美味しい差し入れをごちでした!!

ではまた初句会で!

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