八月の句会 and Luke and Atom
2017年08月14日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報 第三十六号(平成二十九年八月)
八月六日(日)、原爆の日と重なり台風も次第に近づいて皆さんの出席が心配されたが、ほぼいつものメンバーが揃った。「わたしたちのひろしま 四人展」の会場をお借りして、初参加の清水司さんを含め十二名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。(句会後に届いた厚子さんの欠席投句も載せています)
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)



兼題「盆」 (清記逆順列記)
おさな子の流れて帽子彼岸川 司
花立てに柄杓傾け墓参り 華院
◎墓参り実家は売ったと報告す りう子
盆の入り宇宙ひと飛び茄子の馬 六星
○煮えたぎる地獄の釜も盆休み 風外
盂蘭盆や地獄大夫の微笑みぬ 下駄麿
さまざまの人種がまろく盆踊(ぼんダンス) ねむ女
盆燈籠片手に登る田舎道 幸音
〇盆帰省ひとり待つ母卒寿なる 走波
〇盆どうろうかかへて遠し坂の上 朋子
流燈や川は海まで下り坂 志路
消防団待機してゐる盆踊 茂樹
熱風が首に絡みて盆踊り 厚子

雑詠(初秋)
◎おじぎした稲穂がゆれて風の道 司
芋虫や戯れ角で撥ねつけり 華院
藪枯(やぶからし)七色の花席巻す りう子
○生姜焼き定食食らう原爆忌 六星
◎水墨画鈴虫の声と同じ色 風外
〇渥美清氏二十回忌によせて 小石蹴りバス見送って風天忌 下駄麿
◎自動改札すうい塩辛蜻蛉かな ねむ女
◎もう一花弾けてみようか鳳仙花 幸音
朝顔の鉢も一緒に帰省かな 走波
〇友去りて秋立つ日にはソロ奏で 朋子
〇包丁に先駆け西瓜真っ二つ 志路
秋立つや力作揃ふ四人展 茂樹
日陰から日陰を目指す残暑かな 厚子
(句会寸描)
*兼題「盆」はりう子さんが一位となった。雑詠「初秋」は大接戦となり、司さん、風外さん、ねむ女さん、幸音さんが一位を分け合った。兼題は様々なお盆の過ごし方が詠まれてそれぞれ特色が良く出ていた。雑詠はバラエティーに富んだ個性的な句が多くその分選もうまい具合に票が分かれた。上手く詠もうとするとどうしても類句類想になりがちだが、今回のように素直に自分なりの言葉で表現することを心掛けたい。
*兼題「盆」
◎墓参り実家は売ったと報告す りう子
散文的な表現ではあるが、かえって臨場感が出ていて率直に思いが伝わってくる。最近の世相を反映しているようにも思える。
○煮えたぎる地獄の釜も盆休み 風外
お盆を作者独特の切り口でユーモラスに表現している。下五の「盆休み」が句の雰囲気を上手く和らげている。
〇盆帰省ひとり待つ母卒寿なる 走波
一読して母思いの子の心情が伝わってくる。「卒寿」を迎えた母への感謝とまだまだ長生きしてもらいたいという願いも秘めている。
〇盆どうろうかかへて遠し坂の上 朋子
広島の日常風景となっているお盆の様子を平明な言葉で伝えていて、景もよく見えてくる。中七の「かかへて遠し」にさぞかし暑いのではと想像できる。
*雑詠(初秋)
◎おじぎした稲穂がゆれて風の道 司
率直でほのぼのとした雰囲気の句になっている。下五の「風の道」の様子も色々と情景が浮かんでくる。
◎水墨画鈴虫の声と同じ色 風外
画家である作者の聴覚と視覚の捉え方が独特で、モノクロの世界が広がっている。詩的な感じもして色々と想像を掻き立てる。
◎自動改札すうい塩辛蜻蛉かな ねむ女
塩辛蜻蛉の特徴を上手く捉えて、日常風景をさりげなく詠んでいる。特に中七の「すうい」という擬態語がよく効いている。
◎もう一花弾けてみようか鳳仙花 幸音
「鳳仙花」を通して作者のこれからの生き方なり願望が素直に伝わってくる。上五、中七が字余りになっているものの爽やかさがあり気にならない。
○生姜焼き定食食らう原爆忌 六星
被爆二世である作者の弁によると原爆に負けない明るく前向きな句を心掛けたと言っている。「原爆忌」はどうしても類句類想になりがちだが、こういう取り合わせも大いに有りだと思う。
〇渥美清氏二十回忌によせて 小石蹴りバス見送って風天忌 下駄麿
映画の「寅さん」ファンならよく分かる雰囲気の句である。あれからもうすぐ二十年、当時の出演者は残り少なくなってきた。
〇友去りて秋立つ日にはソロ奏で 朋子
遠くに行ってしまった友を思う雰囲気がよく出ている。どんな曲を演奏しているか気になるところ・・・。
〇包丁に先駆け西瓜真っ二つ 志路
西瓜が割れてすでに真っ二つになった西瓜にこれから包丁を入れるというような句に思える。作者によると包丁を入れる途中で西瓜が真っ二つに割れてしまったらしい。いずれにしても包丁と先駆けの使い方にもう一工夫必要と思われる。
*次回予定
日時 九月三日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 席題と雑詠(仲秋)を一句ずつ
(茂樹 記)





イギリスのクラスメイトのChia Yen のお兄ちゃんが転勤で二年間尾道のカモメ寮で生活することになったそうで台湾からカモメのばぁばぁを訪ねて来てくれた。日本語で軽い会話もできてとても感じの良い青年でした。

ブライトン時代の友達とはずーっと仲良く付き合っている。ロンドン時代のクラスメイトとは疎遠。
やっぱり勉強するのは田舎がええかも。都会は遊ぶのが忙しけんね。
おまけのアトム
海水浴行ったんよ。

八月六日(日)、原爆の日と重なり台風も次第に近づいて皆さんの出席が心配されたが、ほぼいつものメンバーが揃った。「わたしたちのひろしま 四人展」の会場をお借りして、初参加の清水司さんを含め十二名の参加者で六時過ぎに、いつものように始まった。(句会後に届いた厚子さんの欠席投句も載せています)
(◎印は高点句、◯印は次点句 ○○○は原句修正箇所)



兼題「盆」 (清記逆順列記)
おさな子の流れて帽子彼岸川 司
花立てに柄杓傾け墓参り 華院
◎墓参り実家は売ったと報告す りう子
盆の入り宇宙ひと飛び茄子の馬 六星
○煮えたぎる地獄の釜も盆休み 風外
盂蘭盆や地獄大夫の微笑みぬ 下駄麿
さまざまの人種がまろく盆踊(ぼんダンス) ねむ女
盆燈籠片手に登る田舎道 幸音
〇盆帰省ひとり待つ母卒寿なる 走波
〇盆どうろうかかへて遠し坂の上 朋子
流燈や川は海まで下り坂 志路
消防団待機してゐる盆踊 茂樹
熱風が首に絡みて盆踊り 厚子

雑詠(初秋)
◎おじぎした稲穂がゆれて風の道 司
芋虫や戯れ角で撥ねつけり 華院
藪枯(やぶからし)七色の花席巻す りう子
○生姜焼き定食食らう原爆忌 六星
◎水墨画鈴虫の声と同じ色 風外
〇渥美清氏二十回忌によせて 小石蹴りバス見送って風天忌 下駄麿
◎自動改札すうい塩辛蜻蛉かな ねむ女
◎もう一花弾けてみようか鳳仙花 幸音
朝顔の鉢も一緒に帰省かな 走波
〇友去りて秋立つ日にはソロ奏で 朋子
〇包丁に先駆け西瓜真っ二つ 志路
秋立つや力作揃ふ四人展 茂樹
日陰から日陰を目指す残暑かな 厚子
(句会寸描)
*兼題「盆」はりう子さんが一位となった。雑詠「初秋」は大接戦となり、司さん、風外さん、ねむ女さん、幸音さんが一位を分け合った。兼題は様々なお盆の過ごし方が詠まれてそれぞれ特色が良く出ていた。雑詠はバラエティーに富んだ個性的な句が多くその分選もうまい具合に票が分かれた。上手く詠もうとするとどうしても類句類想になりがちだが、今回のように素直に自分なりの言葉で表現することを心掛けたい。
*兼題「盆」
◎墓参り実家は売ったと報告す りう子
散文的な表現ではあるが、かえって臨場感が出ていて率直に思いが伝わってくる。最近の世相を反映しているようにも思える。
○煮えたぎる地獄の釜も盆休み 風外
お盆を作者独特の切り口でユーモラスに表現している。下五の「盆休み」が句の雰囲気を上手く和らげている。
〇盆帰省ひとり待つ母卒寿なる 走波
一読して母思いの子の心情が伝わってくる。「卒寿」を迎えた母への感謝とまだまだ長生きしてもらいたいという願いも秘めている。
〇盆どうろうかかへて遠し坂の上 朋子
広島の日常風景となっているお盆の様子を平明な言葉で伝えていて、景もよく見えてくる。中七の「かかへて遠し」にさぞかし暑いのではと想像できる。
*雑詠(初秋)
◎おじぎした稲穂がゆれて風の道 司
率直でほのぼのとした雰囲気の句になっている。下五の「風の道」の様子も色々と情景が浮かんでくる。
◎水墨画鈴虫の声と同じ色 風外
画家である作者の聴覚と視覚の捉え方が独特で、モノクロの世界が広がっている。詩的な感じもして色々と想像を掻き立てる。
◎自動改札すうい塩辛蜻蛉かな ねむ女
塩辛蜻蛉の特徴を上手く捉えて、日常風景をさりげなく詠んでいる。特に中七の「すうい」という擬態語がよく効いている。
◎もう一花弾けてみようか鳳仙花 幸音
「鳳仙花」を通して作者のこれからの生き方なり願望が素直に伝わってくる。上五、中七が字余りになっているものの爽やかさがあり気にならない。
○生姜焼き定食食らう原爆忌 六星
被爆二世である作者の弁によると原爆に負けない明るく前向きな句を心掛けたと言っている。「原爆忌」はどうしても類句類想になりがちだが、こういう取り合わせも大いに有りだと思う。
〇渥美清氏二十回忌によせて 小石蹴りバス見送って風天忌 下駄麿
映画の「寅さん」ファンならよく分かる雰囲気の句である。あれからもうすぐ二十年、当時の出演者は残り少なくなってきた。
〇友去りて秋立つ日にはソロ奏で 朋子
遠くに行ってしまった友を思う雰囲気がよく出ている。どんな曲を演奏しているか気になるところ・・・。
〇包丁に先駆け西瓜真っ二つ 志路
西瓜が割れてすでに真っ二つになった西瓜にこれから包丁を入れるというような句に思える。作者によると包丁を入れる途中で西瓜が真っ二つに割れてしまったらしい。いずれにしても包丁と先駆けの使い方にもう一工夫必要と思われる。
*次回予定
日時 九月三日(日)十八時~二十時
場所 カモメのばぁばぁ
投句 席題と雑詠(仲秋)を一句ずつ
(茂樹 記)





イギリスのクラスメイトのChia Yen のお兄ちゃんが転勤で二年間尾道のカモメ寮で生活することになったそうで台湾からカモメのばぁばぁを訪ねて来てくれた。日本語で軽い会話もできてとても感じの良い青年でした。

ブライトン時代の友達とはずーっと仲良く付き合っている。ロンドン時代のクラスメイトとは疎遠。
やっぱり勉強するのは田舎がええかも。都会は遊ぶのが忙しけんね。
おまけのアトム
海水浴行ったんよ。

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