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なんか楽しい俳句会だより 10月号

2015年10月11日
全国の俳句ファンの皆様、お待たせしました! (なんちゃって。)

今月は、句も票もバラバラな感じがちょっと面白かったです。
いつものように、茂樹さんがまとめてくださったものを転載させていただきます。

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カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第十四号 (平成二十七年十月)

十月四日(日)、十月に入ったとはいえ、晩秋には程遠いどちらかと言えば残暑という雰囲気の中で句会の方は、小幡明さんの個展の会場をお借りして、十三名(内欠席投句一名)の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。今回は、小幡明さんにも入っていただき、参加者の平均年齢はぐっと若返った。(途中から来られた空心さんは見学のみとなりました。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)

兼題「晩秋」             (清記逆順列記)

○晩秋やカフェでセピアの時を飲む     判字名
○晩秋の小指冷たし夜の絵筆        明
○晩秋や乱歩は深き闇描く         志路                
晩秋と我が人生はあと一歩        風外         
○晩秋や炬燵の中は猫団子         幸音
今年まためぐりきたりてこの晩秋     欣子         
◎白き洗面器にお湯を足して晩秋      權子(ごんこ)(旧麦)
◎晩秋や静かに歳を取りにけり       走波     
◎晩秋の山の麓に川光る          六星      
旭岳初冠雪は末の秋         かがし(旧としかず)
○気がつけば半畳ばかりに秋暮れて     釜爺
晩秋の雁木に淡き人の影         茂樹
○晩秋の空にあくびを浮かばせる      朋子


当季雑詠(秋)

○秋寒やネオンの街で嘘探す        判字名
○掌に甘み滴るもらい梨          明
◎一斉に地を指差して葡萄棚        志路   
鈴虫もカラスもなくよ秋のくれ      風外        
松茸がまもなく郷から届く頃       幸音
○あざやかに時を見まがふあかね雲     欣子
うろこ雲名月残して最終章        權子(ごんこ)(旧麦)                  
○木犀の風に包まれ友を待つ        走波
○案山子かと思ったら老人草を刈る     六星           
○静かさや十六夜の月夜半の街     かがし(旧としかず)
○台風は何処いったやら竹輪切る      釜爺
◎赤い羽根添へて回覧板届く        茂樹
○ふり向いて花探すなりきんもくせい    朋子

      
(句会寸描)
*兼題の「晩秋」は選が見事に散らばって最高点は二点で三名、ほぼ三分の二の人に点が入った。雑詠「秋」でも、最高点は二点で二名であった。それだけ皆さんの選句眼が多様化したということであろう。


*兼題「晩秋」

◎白き洗面器にお湯を足して晩秋      權子(ごんこ)(旧麦)
 押しなべて破調で、山頭火風といったところか。内容的には「晩秋」の肌寒くなってきた様子が良く出ている。

◎晩秋や静かに歳を取りにけり       走波
 中七の「静かに」の表現が、「晩秋」と程よく響き合っている。人生のしみじみした感慨深さも感じさせる。
◎晩秋の山の麓に川光る          六星 
下五の「川光る」という言葉が巧みである。「晩秋」の山の風景をじっくり写生した句で簡潔に表現できている。

○晩秋やカフェでセピアの時を飲む     判字名
 やや技巧に走った感はあるが、晩秋の感じは上手く捉えている。

○晩秋の小指冷たし夜の絵筆        明
 画家ならではの実感か。ただ「冷たし」は冬の季語なので使い方に注意したい。

○晩秋や乱歩は深き闇描く         志路
 「晩秋」と江戸川「乱歩」の取り合わせが上手くマッチしている。

○晩秋や炬燵の中は猫団子         幸音
 下五の「猫団子」という表現は面白いが、「炬燵」は冬の季語なので、季語はどちらかに絞りたい。

○気がつけば半畳ばかりに秋暮れて     釜爺
 中七の「半畳ばかりに」の表現が面白く、日常の感じが良く出ている。

○晩秋の空にあくびを浮かばせる      朋子
 中七、下五の「空にあくびを浮かばせる」という表現が面白い。


*当季雑詠(秋)

◎一斉に地を指差して葡萄棚        志路  
「一斉に地を指差して」の表現がどこか謎めいている。全体的に宗教的な雰囲気も感じさせる句である。

◎赤い羽根添へて回覧板届く        茂樹
「赤い羽根」と共に秋がやって来るような感じがする。最近はシールのものも出回っているようである。

○秋寒やネオンの街で嘘探す        判字名
 賑やかなネオン街ではあるが、作者はクールな眼で捉えている。
○掌に甘み滴るもらい梨          明
さぞ美味しい梨であろう。ただ、滴るは夏の季語なので使い方に注意が必要。

○あざやかに時を見まがふあかね雲     欣子
夕暮れ時の煌びやかな空の感じが想像できるが、「あかね雲」は季語ではないのでここに別な季語を入れる必要がある。

○木犀の風に包まれ友を待つ        走波
良い香りの中で、秋の気配を楽しみながら友を待っている様子が上手く表現されている。

○案山子かと思ったら老人草を刈る     六星
「案山子」ならではのユーモラスな光景である。但し「草を刈る」は夏の季語なので、別の動作を入れるなど要検討。

○静かさや十六夜の月夜半の街     かがし(旧としかず)
スーパームーンが照らす明るさと静かさの対比が面白い。

○台風は何処いったやら竹輪切る      釜爺
「台風」に「竹輪切る」という取り合わせが面白い。

○ふり向いて花探すなりきんもくせい    朋子
「きんもくせい」の雰囲気が良く出ている。ただ中七の「花探すなり」で切れているため、「きんもくせい」との関連性がなくなってしまうので気を付けたい。


*次回予定
日時 十一月七日(土)十八時~二十時 
場所 「カモメのばぁばぁ」
投句 兼題「鍋」雑詠「初冬」それぞれ一句ずつ
 
                   (茂樹 記)


会費600円(1ドリンク付き)  初めての方でもどうぞ。
☆できれば会場に参加がいいのですが、どうしても来られない場合は投句のみでも参加できます。
 その場合、投句料として申し訳ありませんが次回来られた時にでも200円申し受けます。 riri


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