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九月の爆笑句会だより   

2015年09月10日
カモメのばぁばぁ「夜の美術館」句会報第十三号(平成二十七年九月)

九月六日(日)、朝から降り続いていた雨もあがり、すっかり秋らしくなった気候の中で句会の方は、仁井純也さん・恭子さんの個展の会場をお借りして、十二名の参加者で六時過ぎに、いつものようにはじまった。今回は、この句会が始まって以来初めての、全ての人が経験者ということもあって、終始和やかな雰囲気に包まれていた。(途中から来られた麦さんは見学のみとなりました。)
(◎印は高点句、◯印は次点句)

兼題「秋の虫」       (清記逆順列記)

◎すずむしをさしあげますと薄き墨     判字名
○法師蟬ひとふしで止む暑さかな      としかず
○うつろいの名残り説かれて法師蟬     華院                
本を読むかたわらに鳴く虫の声      幸音
鈴虫に餌やる母の手の白き        六星         
すず虫の音色の力あと一歩        風外
パソコンのわきより出しは秋之(あきの)蚊(かん)輔(すけ)殿   釜爺         
ふる里に帰ると聞こえる秋の虫      空心
蟷螂(とうろう)の生の証か羽破れ          欣子     
ガチャガチャや悩みは何もないものか   走波      
こおろぎのうた錆びかけた空き缶に    志路
サイレンの通り過ぐ音地虫鳴く      茂樹


当季雑詠(秋)
◎朝霧をまとい桟橋君が立つ        判字名
秋風や浜の入口無人駅          としかず
海山の恵みと感謝神棚に         幸音   
青一輪朝顔潔(きよ)しアスファルト       六星        
オレンジに変身したい青い柿       風外
○尾を筆になに認(したた)むや鰯雲         釜爺
秋風にきたよきたきたあのけむり     空心                  
明星を月によりそう夕間暮れ       欣子
自転車で秋の風きり図書館へ       走破    
天高し思いっっっきり深呼吸       志路
爽やかな献血ルーム文庫読む       茂樹

      


(句会寸描)

*兼題の「秋の虫」は皆さん一様に難しい難しいと言いながら蓋を開けてみると、何と当句会始まって以来の高点句六点(過去最高は五点)を獲得した判字名さんが断トツの一位となった。雑詠「秋」でも、判字名さんが一位、見事二冠に輝いた。全体的に今回は余計なことを言わず物に託した平明な句が上位を占めた。


*兼題「秋の虫」

◎すずむしをさしあげますと薄き墨     判字名 
 句会の半数の人に支持された句。「薄き墨」から何か不幸があった方が飼っておられた鈴虫ではないかとの評が数多く聞かれた。作者によると法事の際の様子を詠まれたとのこと、鈴虫の鳴き声と共にしんみりした雰囲気まで伝わってくる。

○法師蟬ひとふしで止む暑さかな      としかず
 中七の「ひとふし」の表現が、夏から秋への移ろいを効果的に言いとめている。「法師蟬」の鳴き声は夏を惜しむようにも聴こえてくる。
○うつろいの名残り説かれて法師蟬     華院
 これも「法師蟬」を詠んでいるが、「名残り」の表現から前句より秋らしくなってきており、あたかもお経のような「法師蟬」の鳴き声が繰り返し聴こえてくる。


*当季雑詠(秋)

◎朝霧をまとい桟橋君が立つ        判字名
 なにやら映画のワンシーンのようでもある。「君が立つ」の表現で男と女のラブロマンスまで想像させる。懐かしい昭和の雰囲気もある。

○尾を筆になに認(したた)むや鰯雲         釜爺
「鰯雲」のような季語の場合は、人との取り合わせの句が数多く見受けられるが、鰯雲自体を擬人化したところは技あり有りのユニークな句になっている。




*次回予定
日時 十月四日(日)十八時~二十時 
場所 「カモメのばぁばぁ」
投句 兼題「晩秋」雑詠「秋」それぞれ一句ずつ
 
                   (茂樹 記)




 いよいよ来月からは、二年目に突入です!
早っ!!!
私六星は、末席を汚すチームにおりますが、チームから私より先に誰も抜けて上に上がりませんように!
今回もまた空心さんや風外さんの解説が可笑しくて夜中も笑いが止まらなくて困りました。
ではまた次回!
茂樹さんと皆様、二年目もよろしく~。
やってみたい方はいつでもいらっしゃいませ。
☆会費 200円+1ドリンク(400円) 合計600円に勝手に値上げさせていただきます。



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